■ どくだみは強し廃屋に咲き乱る
( どくだみは つよし はいおくに さきみだる )
どくだみ(十薬)の白い花が、家の周りや道端など方々で咲きだした。この草花、花は清楚な感じだ
が、名前が少し不気味で、葉の色形や匂いなど、何か怪しい雰囲気を漂わせており、あまり好まれる花ではない。しかし、どんなに疎まれ摘まれても、生き続ける底知れぬ強さを感じさせる。
本日の掲句は、そんなどくだみの花が、廃屋の空地に咲き乱れているのを見て詠んだもの。中七の中間で切れる、句跨り(くまたがり)の句である。「どくだみ」は、夏の季語。
因みに、どくだみに関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① どくだみの毒にて守る古き家
② どくだみのどこか陰ある白さかな
① どくだみの毒にて守る古き家
② どくだみのどこか陰ある白さかな
①は、どくだみの花が古い家の周りに咲いているのを見て、どくだみの毒で家を守っているのだろうと詠んだ句。②は、日陰に咲くどくだみの花の白さに、「何か秘めたもの=陰」を感じて詠んだもの。
どくだみ(十薬)は、ドクダミ科ドクダミ属の多年草で原産は東アジア。花期は5~7月頃。花は、混じりけのない純白だが、花弁らしきものは、蕾を包む苞(ほう)で、中心にある薄緑色の花柱らしきものが本当の花である。
どくだみの名前の由来は、葉に特有の臭気があるために、何かの毒が入っているのでは、ということで、「毒溜め(どくだめ)」と呼ばれるようになったという説、漢方薬として様々な効用があり、「毒を矯(た)める・止める」という意味を持つという説などがある。
漢字で「十薬」と書くが、これは、植物を十種類もあわせたくらいの薬効があることからついたと言われている。「じゅうやく」とも読む。
【どくだみ、十薬の参考句】
十薬や石垣つづく寺二軒 (村上鬼城)
家をめぐつてどくだみの花 (種田山頭火)
どくだみの花の白さに夜風あり (高橋淡路女)
どくだみのくもりのひとを近づけず (大野林火)
十薬の花に涼むや楽屋裏 (松本たかし)
十薬や石垣つづく寺二軒 (村上鬼城)
家をめぐつてどくだみの花 (種田山頭火)
どくだみの花の白さに夜風あり (高橋淡路女)
どくだみのくもりのひとを近づけず (大野林火)
十薬の花に涼むや楽屋裏 (松本たかし)
*昨日のブログの蝶の位置 2枚目写真:中央下 3枚目写真:右上方