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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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春日燦ヒマラヤ雪の下の苑

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■ 春日燦ヒマラヤ雪の下の苑
               ( はるひさん ひまらやゆきの したのえん )
 
本日の掲句をさっと読んで、どんな印象を持たれただろうか。多分ヒマラヤの雪に日が射しているのを想像して詠んだものと思われたのではないだろうか。それは完全に間違いとは言えないが、実は「ヒマラヤ雪の下」と言う植物(右写真)を見て詠んだ句である。

イメージ 1「ヒマラヤ雪の下」を初めて見たのは、あるレストランの庭だが、長らく名前が分からなかった。最近になってその名前を知り、それが面白いので何とか句にならないかと考えて見た。

すんなりできたのが、「ヒマラヤ雪の下の苑」という句跨り(くまたがり)の中七、下五。残るは上五だが、「ヒマラヤ雪の下」が季語になっていないようなので、ここには季語を持ってくる必要がある。

ヒマラヤ、雪などに合う春の季語となるとどんなものがあるか。最初浮かんだのは「春日射し(はるひさし)」。ちょっと平凡なので、その関連で「春日燦(はるひさん)」という季語を見出し、何とか句として完成させた。
*春日燦:春の日が光り輝いている様子。
*句跨り:一音節内の言葉が次ぎの音節にまたがってひとつの意味を形づくること。

ところで、以前にも述べたことがあるが、俳句をやり始めた動機の一つに、身の回りで見る植物の名前を覚えることがあった。確かに、句にするとなると、その植物がどんな特徴を持つのか、多少とも調べなければならない。また、その植物を観察し、印象などを十七文字で簡潔に表現しなければならない。当初の狙いは的中し、おかげで植物の名前をかなり覚えることができた。

ただ、困ったことの一つが、植物の名前には、時々非常に長いものがあるということである。句跨りにしたり、字余りにしたりで何とか対処してきたが、最近外国から流入してきた花でカタカナ十文字を超えるような長い名前の花は、さすがに句としては詠みにくく、なかなか覚えられない。

その点、「ヒマラヤ雪の下」は、何とかうまく句に治まり、名前もしっかり覚えられた。句の良し悪しは別として、掲句は、初期の目的が達成できた自己満足の句といって良い。

ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪の下)は、ユノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の多年草。原産地はヒマラヤ山脈周辺(アフガニスタンから中国にかけて)で明治初期に渡来。花期は3月~5月。長い花茎の先に桃色や白の花を多数まとめて咲かせる。別名はベルゲニア。
 
イメージ 2


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