■ 壱岐にて 二句
19日より2泊3日で、壱岐(いき)・対馬(つしま)のツアーに行ってきた。本日より3日間は、その時に詠んだ句や写真などを掲載したい。
○浜風や壱岐に棲み着く鬼薊
( はまかぜや いきにすみつく おにあざみ )
この日は、景勝地の「左京鼻(さきょうばな)」「はらほげ地蔵」などを見て、5時過ぎに、この日宿泊する民宿に到着した。
本日の掲句は、その民宿の周辺を散策した時に詠んだ句である。民宿は浜辺近くにあり、様々な花が咲いていたが、特に印象に残ったのは「鬼薊(おにあざみ)」だった。
強い浜風が当たるせいか、いずれも背丈は低いが、浜辺の小高い丘に散らばるように咲いていた。
尚、「薊」は春の季語になっているが、どちらかというと春咲きの薊は少なく、そのほとんどは夏から秋にかけて咲く。
季語としては、夏咲きのものを「夏薊」というが、句意から「鬼薊」を夏の季語に準じて使用した。
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( ぶたなさき にぎわうむらや はるのつじ )
この遺跡は、弥生時代中期から後期にかけての大規模集落跡。3重の環濠に囲まれた集落域の規模は24haに達し、その周辺の遺構を含めると、その広がりは約100haに及ぶとのこと。
ところで最近は、名所旧跡を訪ねた時、その地の植物についてできるだけ観察するようにしているが、この地で特に目を引いたのは「豚菜(ぶたな)」。
この草花は、「蒲公英(たんぽぽ)」に似た花を咲かすが、茎が長く伸びて、その先に黄色い花をつける。
掲句は、その「豚菜」の「豚」と「村」のイメージを重ねて詠んだ句。「豚菜」は季語にはなってないが、本句では夏の季語に準じて使用。
名前は、フランスでの俗名 Salade de porc(ブタのサラダ)を翻訳したものが由来だとか。別名に「蒲公英擬き(たんぽぽもどき)」がある。
その対馬に関しては、明日の記事で取り上げたい。また、訪問先で記事に掲載できなかった所に関しては、明後日にスナップ写真だけまとめて掲載したい。