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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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■壱岐にて 二句

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■ 壱岐にて 二句

19日より2泊3日で、壱岐(いき)・対馬(つしま)のツアーに行ってきた。本日より3日間は、その時に詠んだ句や写真などを掲載したい。

 ○浜風や壱岐に棲み着く鬼薊    
    ( はまかぜや いきにすみつく おにあざみ )

イメージ 1初日は、9時過ぎの新幹線で新大阪駅より博多駅まで行き、そこからタクシーで博多港へ。そこでフェリーに乗り換え、壱岐の芦辺港に着いたのは午後4時頃。

この日は、景勝地の「左京鼻(さきょうばな)」「はらほげ地蔵」などを見て、5時過ぎに、この日宿泊する民宿に到着した。

本日の掲句は、その民宿の周辺を散策した時に詠んだ句である。民宿は浜辺近くにあり、様々な花が咲いていたが、特に印象に残ったのは「鬼薊(おにあざみ)」だった。

強い浜風が当たるせいか、いずれも背丈は低いが、浜辺の小高い丘に散らばるように咲いていた。

尚、「薊」は春の季語になっているが、どちらかというと春咲きの薊は少なく、そのほとんどは夏から秋にかけて咲く。

季語としては、夏咲きのものを「夏薊」というが、句意から「鬼薊」を夏の季語に準じて使用した。

イメージ 2「薊」は、キク科アザミ属の野草。「薊」の種類は多く、世界で約300種、日本だけでも100種類以上あると言われている。

イメージ 3この内、日本固有種の「鬼薊」は、本州の山中に自生し、5月~9月頃花を咲かす。写真の「薊」は、「西洋鬼薊」、「亜米利加鬼薊」といわれる外来種。

イメージ 4

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 ○豚菜咲き賑わう村や春の辻
    ( ぶたなさき にぎわうむらや はるのつじ )

イメージ 5二日目の朝は、壱岐で最も有名な史跡である「春の辻遺跡公園(はるのつじいせきこうえん)」を訪れた。

この遺跡は、弥生時代中期から後期にかけての大規模集落跡。3重の環濠に囲まれた集落域の規模は24haに達し、その周辺の遺構を含めると、その広がりは約100haに及ぶとのこと。

ところで最近は、名所旧跡を訪ねた時、その地の植物についてできるだけ観察するようにしているが、この地で特に目を引いたのは「豚菜(ぶたな)」。

この草花は、「蒲公英(たんぽぽ)」に似た花を咲かすが、茎が長く伸びて、その先に黄色い花をつける。










掲句は、その「豚菜」の「豚」と「村」のイメージを重ねて詠んだ句。「豚菜」は季語にはなってないが、本句では夏の季語に準じて使用。

イメージ 6「豚菜」は、キク科エゾコウゾリナ属の多年草。ヨーロッパ原産で、日本には昭和初期に入ってきたとされ、北海道及び本州の広い範囲に分布している。

イメージ 7花期は5〜9月頃。外観は「蒲公英」に似るが、「豚菜」は30〜60cm程度の花茎が途中で数本に枝分かれし、それぞれの頭に直径3cmほどの黄色い花をつける。

名前は、フランスでの俗名 Salade de porc(ブタのサラダ)を翻訳したものが由来だとか。別名に「蒲公英擬き(たんぽぽもどき)」がある。

イメージ 8この日は、他に「猿岩(さるいわ)」「うに工場」などを見学し、午後1時前に壱岐の郷ノ浦港から対馬の厳原(いづはら)港へ向かった。

その対馬に関しては、明日の記事で取り上げたい。また、訪問先で記事に掲載できなかった所に関しては、明後日にスナップ写真だけまとめて掲載したい。

イメージ 9




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