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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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■吉野の桜 三句

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■ 吉野の桜 三句

    ○ 吉野なればやはり桜は山桜  
          ( よしのなれば やはりさくらは やまざくら )
    ○ 息切らし登れば見ゆる千本桜 
          ( いききらし のぼればみゆる せんぼんざくら )
    ○ 遠山にかかる吉野の花の雲 
          ( とおやまに かかる よしのの はなのくも )

イメージ 1先週の土曜日、古くから桜の名所として知られる「吉野山」に行ってきた。

まだ、一度も行ったことがなかったので、数日前に急遽行こうと決め、京都駅から近鉄電車に乗って行った。(所要時間は片道2時間程。)

吉野駅に降りで先ず驚いたのは観光客の多さである。

後で調べて分かったのだが、吉野はいくつかのエリアに分かれていて、下千本、中千本はピークを幾分過ぎていたが、上千本は丁度満開、奥千本はこれから。道理で人が多かった訳だ。

先ずは、駅前に置いてあった案内マップを見ながら、中心の坂道をゆっくりと登る。上を見ると少し散った桜も見られたが、まだかなり咲いている。





イメージ 2

ただ、家の近くで見る桜と少し印象が違うのは、そのほとんどが「染井吉野」でなく「白山桜(しろやまざくら)」であるため。*「白山桜」は「山桜」の別称。

ご存知の方も多いと思うが「山桜」は、花と同時に赤い葉も開く。葉に先駆けて花を咲かす「染井吉野」のような華やかさはないが、慎ましくもしっとりとした美しさがある。

イメージ 3掲句の第一句は、吉野の主役はやはり「山桜」なんだと改めて知って詠んだ句。吉野山には、現在この「山桜」を中心に約200種3万本の桜が植えられているそうだ。「山桜」はいうまでもなく春の季語。

イメージ 4【吉野とは】 吉野は、大和国南部(現在の奈良県南部)一帯を指す地名である。特に吉野山から大峰山にかけての山岳地帯をいう。狩りに適した良い野という意味である。吉野は口吉野と奥吉野に分かれる。日本書紀などの史書によれば、歴代の天皇や貴族が吉野を訪れており、この当時の吉野は、遊興の地となっていた。また、万葉集には吉野を題材とした歌が数多く詠まれている。(Wikipediaより)

イメージ 5その後、吉野駅近くの下千本から坂道をゆっくりと登る。坂道はそれほどく急ではないが、中千本辺りになると息が切れてくる。取りあえず、上千本まで歩こうと懸命に歩くこと数十分。ふと眼下を見ると山の中腹一面に重なるように咲いた桜花が見えた。

イメージ 6第二句、その時の様子を詠んだ句。吉野の桜は、「一目に千本見える豪華さ」という意味で「一目千本」とも言われているそうだ。季語は「千本桜」(春)。

第三句は、向こうの山に咲いている桜を雲に喩えて詠んだ句。「花の雲」は春の季語。

イメージ 7ところで、吉野山といえば、西行法師の歌が有名である。以下にそのいくつかを掲載しておきたい。

  【吉野(山)の桜にまつわる西行法師の和歌】
   なにとなく春になりぬと聞く日より心にかかるみ吉野の山
   吉野山こずゑの花を見し日より心は身にもそはずなりにき
   吉野山花の散りにし木の下にとめし心はわれを待つらむ
   木のもとに旅寝をすれば吉野山花のふすまを着する春風 
   吉野山こぞのしをりの道かへてまだ見ぬかたの花をたづねむ

イメージ 8俳句に関しては、吉野の桜を詠んだものなのか判別できないものが多いので、以下の三句だけ掲載しておきたい。

   【吉野の桜に関する参考句】
    吉野にて桜みせうぞ檜笠       (松尾芭蕉)
    これはこれはとばかり花の吉野山 (安原貞室)
    みよし野のちか道寒し山桜      (与謝蕪村)

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