■ 川べりは大波小波雪柳
( かわべりは おおなみこなみ ゆきやなぎ )
そんな中、1週間ほど前より桜の樹下で白い花をめいっぱい咲かせている花がある。その花の名は「雪柳(ゆきやなぎ)」。
名前は、花が雪のように白く、雪が柳に降り積もったように見えることからついたとのこと。
ただ、この花を見た時の印象は、雪というよりも白い波、しかも激しく荒れ狂う大波。
その印象をかつて以下のように詠んだ。
北斎の絵に倣いしや雪柳
まさに、浮世絵師:葛飾北斎が描いた「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」の大波を彷彿とさせる。
(最後尾の写真参照)
【関連句】
① 照り返す川浪のごと雪柳
② たとうれば怒涛の飛沫雪柳
③ 静もれる川に怒濤の雪柳
②は、花を波の飛沫(しぶき)に喩えて詠んだもの。
③は、静かな川と荒々しい怒濤を対比させて詠んもの。
最近は、園芸品種と思われるピンク色の花を咲かせるものも出回っているようだが、名前にそぐわない気がする。別名に、小米花(こごめばな)、小米柳(こごめやなぎ)などがある。
【雪柳の参考句】
雪柳吹かれもつれて花こぼす (岡田虚風)
大揺れをまだ知らぬなり雪柳 (高橋栄子)
潮のひかりたえず届きて雪柳 (旗川万鶴子)
月光の注ぎて溢れ雪柳 (吉岡桂六)
雪柳清め塩ほど返り咲き (朝倉和江)