■ 金柑のキンコンカンと春の丘
( きんかんの きんこんかんと はるのおか )
仏教では、この春分の日に前後三日を加えた七日を「彼岸(ひがん)」といい、春分の日を「彼岸の中日」、最初の日を「彼岸入り」、最後の日を「彼岸明け」という呼ぶ。
よく「暑さ寒さも彼岸まで」というが、これは、「冬の寒さ(余寒)は春分頃まで、夏の暑さ(残暑)は秋分頃までには和らぎ、凌ぎやすくなる」という意味の慣用句。
予報では、来週の月曜日当たりから、京都では最高気温が17度ぐらいまで上がり、桜(染井吉野)の開花も見られるようだ。
さて、前書きはこれくらいにして、先日ある丘の上で金柑の実が黄色く色づいているのを見た。
この金柑の実は晩秋の頃から生っており、冬に黄色に色づき今に至っている。
本日の掲句は、そんな様子見て詠んだ句だが、金柑の「きんかん」から「きんこんかん」という言葉が思い浮かび、語呂合わせで詠んで戯れ句でもある。
尚、「金柑」は実が生りだすの秋のせいか秋の季語になっている。そのため、下五を「春の丘」とした。旬(食べごろ)は、1月中旬~3月下旬なので、冬か春の季語でも良いと思うのだが・・・。
金柑や風邪に負けじと砂糖漬け (原句一部修正)
金柑と言えば、すぐ思い出すのが砂糖漬けや甘露煮。昔から風邪のひき始めや喉の痛み・咳には金柑が効くと言われ、よく食されている。
7月頃に花が咲き、8月頃に実ができる。実のサイズは、みかん類の中で最も小さい。
【金柑の参考句】
金柑は葉越しにたかし今朝の霜 (芥川龍之介)
入日の家金柑甘く煮られゐつ (村越化石)
門前の金柑男のやうに噛む (飯島晴子)
はつ雪や金柑折れて樽のうへ (中村史邦)
金柑の食べ頃となる恵方かな (岸本尚毅)