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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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堆き落葉掻き分け咲く黄連

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■ 堆き落葉掻き分け咲く黄連
                ( うずたかき おちばかきわけ さくおうれん )


イメージ 1遅々として春らしくならず、何となくじれったい時節だが、山野では、様々な野草が少しずつ芽吹き花を咲かせ始めている。

とは言っても近辺では野原が少なく、やはり植物園で確かめることになるのだが、先日行った時は、自然を模した生態園で「黄連(おうれん)」が開花しているのを見た。

この花は1cmほどの白い花で、花茎は薄茶色。だから、落葉(朽葉)の色に溶け込んで目を凝らさないと見付けにくい。

近づいて見ると、花そのものは非常に愛らしい形をしており、多くの花が群れ咲くと華やかな感じになる。











*芹葉黄連(せいばおうれん)の雄花
イメージ 2本日の掲句は、そんな花の様子を見て詠んだ句である。「黄連」は春の季語。「落葉」が冬の季語なので季重なりとなるが、本句では従たる季語として考慮に入れない。

*芹葉黄連(せいばおうれん)の両性花
イメージ 3因みに、「黄連」については、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① 森蔭の腐葉の土に花黄連  
(原句一部修正)
    ② 目を凝らし見ればちりちり花黄連
 

イメージ 4①は、朽ちた葉の間から花茎を伸ばし、その先端に小さな花を咲かせているのを見て詠んだ句。本日の掲句と着想は同じ。
②は、落葉が積もっている山道で、黄連の花が咲いているのを見つけた時に詠んだ句。

イメージ 5黄連は、キンポウゲ科オウレン属の常緑多年草。原産地は日本で東北南部~本州、四国の山地の少し湿った場所に自生する。草丈は10~20cmほど。

花期は3月~5月。花は1cmほどで、5枚の細長い萼片は白く、花弁は細くて数が多い。また、花には両性花と雄花があり、両性花には雄しべ20~30本、雌しべ10個内外、雄花には雄しべのみがある。

*1枚目と3枚目の写真が両性花で白色の雄しべの他に茶色の雌しべがある。2枚目と4枚目の写真が雄花で雄しべだけがあり白一色。

イメージ 6種類が多く葉や花の形で分類される。代表的な種としては、芹葉黄連(せりばおうれん)、菊葉黄連(きくばおうれん)、梅花黄連(ばいかおうれん)などが存在する。*写真のものは芹葉黄連。

名前は、根茎の断面が黄色で、それが連なることからついた。その根茎には抗菌作用、抗炎症作用等があるベルベリンが含まれ、生薬が作られている。

イメージ 7「黄連」について詠んだ句はほとんどないので、参考句は割愛する。


《梅花黄連》  梅の花に似た花を咲かすがある。 イメージ 8


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