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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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春遅々と花も緑のクリスマスローズ

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■ 春遅々と花も緑のクリスマスローズ
                           ( はるちちと はなもみどりの くりすますろーず )


イメージ 1先週の土曜日は、京都マラソンのあった17日に続いて植物園に行ってきた。立春が過ぎて早や3週間経とうとしているが、春の歩みはまだゆっくりとしている感じだった。

やはり、花らしい花がそれほど見られなかったが、よく目にしたものとしては「クリスマスローズ」を挙げることができる。

尚、この「クリスマスローズ」は、名前に「クリスマス」がついているように、海外では、早秋から冬に開花する「ヘレボルス・ニゲル」だけを指す。

そして、春に開花するものは「四旬節: Lent」に咲くバラ」という意味の「レンテンローズ」あるいは「ヘレボルス・オリエンタリス」という名で区別しているとのこと。

*四旬節:キリスト教で復活祭の前日から40日前までの期間を指す。

ところが、日本では「クリスマスローズ」が「ヘレボルス属」の総称として使われており、名前の通りも良いせいか区別なく使われている。尚、薔薇のローズとは無関係。

イメージ 2掲句は、そんな「クリスマスローズ」の一種で、早春に緑の花を咲かすものに注目して詠んだ。この花を最初に見た時は、緑色の花が珍しく少し中途半端な花だなと思った。慣れれば新鮮に思えてくるが・・・。

尚、「クリスマスローズ」は冬の季語なので、上五に春の季語の「春遅々」をおいた。この季語は、「春遅し」と同義で、「春になっても遅々として春らしくならないこと」を言う。

イメージ 3因みに、「クリスマスローズ」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

    【関連句】
    ① クリスマスローズ春の愁いは何ゆえに
    ② 俯きのレンテンローズ春うらら

イメージ 4①は、俯き加減に咲く花の姿を「春の愁い」に掛けて詠んだもの。
②は、「この麗らかな春の陽気の中で、いつまでもふさいでいてはいけないよ。」といった意味を込めて詠んだ。この句では「レンテンローズ」を使ってみた。

イメージ 5クリスマスローズ(ヘレボルス)は、キンポウゲ科クリスマスローズ属(ヘレボルス属)に分類される常緑多年草の総称。原産地は東ヨーロッパ、西アジアなど。日本には明治の初め頃薬草として渡来。

花期は12月~4月。花に見える部分は植物学上では「花」でなく「がく」。現在品種改良が進み、色や形がきわめて豊富。尚、写真の緑花のものは、正式には「ヘレボルス・オドルス」という。

イメージ 6「クリスマスローズ」は、方々で見られるようになったせいか、それを詠んだ句もままある。以下にはネットで見つけたものを参考までいくつか掲載した。

    【クリスマスローズの参考句】
     クリスマスローズ女は髪染めて      (星野麥丘人)
     ロンドンはクリスマスローズ炉辺に咲く  (山口青邨)
     クリスマスローズ春宵に沈みけり      (柳田皓一)
     木蔭にてクリスマスローズひそやかに  (中田芳子)

     門までの径に揺るるクリスマスローズ   (村上二三)

イメージ 7

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