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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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森蔭に残雪のごとスノードロップ  

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■ 森蔭に残雪のごとスノードロップ  
                     ( もりかげに ゆきのこるごと すのーどろっぷ )


イメージ 1今日は梅小路公園から離れて、京都の植物園からの記事。

取り上げるのは「スノードロップ」。

実はこの草花、12月頃から花を咲かせていた

だから、冬の季語だと思われがちだが、春の季語に分類されているので掲載を遅らせてきた。

確かに、これまでぽつぽつと花を咲かせていたものが、今頃になると辺り一面から芽吹いてきて地を覆うよう花を咲かせる。

その意味では初春の花と言っても良いだろう。

本日の掲句は、そんな花の様子を「残雪」に喩えて詠んだ句である。

「残雪」も春の季語なので本句は季重なり。





イメージ 2
因みに、「スノードロップ」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

    【関連句】
     ① 俯きのスノードロップ冴え返る
     ② 森閑とスノードロップ咲く野かな
     ③ 木漏れ日に春をいざなう待雪草


イメージ 3①は、いつも俯き加減に咲いている様子を捉えて詠んだもの。詠んだのは3月初旬だが、敢えて春の季語「冴え返る」を使い季重なりとした。

*冴え返る:春になって一旦緩んだ寒さがまたぶり返すこと。
②も、同じ植物園で詠んだ句だが、森の中で人知れず咲いている様子をイメージして詠んだ。
③は、この花が周囲の樹々の間から差し込む日にあたって、透き通るように光っているのを見て詠んだ句。この句では和名の「待雪草(まつゆきそう)」を使用した。


イメージ 4スノードロップは、ヒガンバナ科ガランサス属(スノードロップ属、マツユキソウ属とも)の植物の総称。原産地はヨーロッパのコーカサス山脈で明治の初めに日本に渡来。花期は通常2月~3月だが、早咲きのものは12月頃から咲き始める。

花は、外側に大きな花びらが3枚、その内側から顔をのぞかせるように小さな花びらが3枚つく。内側の花びらは重なり合って筒状になり、緑色の大きな斑が入るのが特長。一本の花茎に一輪の花が付く。

イメージ 5ヨーロッパでは古くから親しまれており、宗教との関わりも深く、神話や伝説が多く残る植物だそうだ。特にキリスト教では2月2日の聖燭節(キャンドルマス)の花とされている。

名前の由来は花姿や花色を雪の滴(しずく)に例えたものとされている。別名は待雪草(松雪草とも)の他にガランサスなどがある。

似た名前の植物にスノーフレークがあるが、これは別属の植物で、4月~5月に鈴蘭にそっくりな花を咲かす。そのことから「鈴蘭水仙(すずらんすいせん)」とも言う。(最後の写真参照)

イメージ 6「スノードロップ」を詠んだ句はほとんどないが、ネットで見つけた句を参考まで以下に掲載する。

    【スノードロップの参考句】
      スノードロップ春告ぐ花として白し     (山崎ひさを)
      スノードロップ雲間より日の投げキッス (荒谷京)
      うつむいてスノードロップ咲き始む    (今井緑)
      スノードロップ雪の涙のごとき花     (大野美幸)

イメージ 7
▼よく似た花:「鈴蘭水仙」=「スノーフレーク」 (4月初旬に撮影)
イメージ 8


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