■ 早々と咲いて陽気な花菜かな
( はやばやと さいてようきな はななかな )
その内の一つが今日取り上げる「菜の花]。今頃菜の花と訝しく思われる人もいると思うが、最近は早咲きの菜の花が公園などで結構見られる。
それにしても、立春を迎えたばかりのこの時期に、非常に鮮やかな黄色の花が見られるとは。当日の暖かい陽射しと相まって心身ともに陽気になる。
本日の掲句は、そんな情景を見て詠んだ句である。「花菜」は「菜の花」の別称で春の季語。
「菜の花畠に入日薄れ~」と唱歌「おぼろ月夜」に歌われた菜の花畠(畑)は、近辺ではほとんど見られなくなった。今や、「菜の花」は、公園の花壇の花になったとも言える。
因みに、「菜の花」「花菜」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 街角に花菜ちょっぴり野の気分
② 菜の花の黄やほっこりと丘の上
③ 菜の花に入日差し込む山の畑
②は、一昨年の同じ時期、同じ場所で詠んだ句。まだ、花がほとんど見られない時期だったが、早咲きの菜の花が丘の花壇に咲いていた。
③は、昨年3月に房総半島のバスツアーに行った時に詠んだ句。日も大分西に傾いていて、その光が菜の花畑の一面を照らしていて何とも美しかった。
代表的なものは、種子から油が採れる油菜(あぶらな)で、他に芥子菜(からしな)、蕪菜(かぶらな)、高菜(たかな)なども含まれる。
【菜の花、花菜の参考句】
菜の花に汐さし上る小川かな (河東碧梧桐)
菜の花に昔ながらの近江富士 (山口波津女)
菜の花を月が離れる地球かな (五島高資)
菜の花のどこで逢ひてもよき黄かな (後藤比奈夫)
菜の花の中や大きな水たまり (岸本尚毅)
菜の花に汐さし上る小川かな (河東碧梧桐)
菜の花に昔ながらの近江富士 (山口波津女)
菜の花を月が離れる地球かな (五島高資)
菜の花のどこで逢ひてもよき黄かな (後藤比奈夫)
菜の花の中や大きな水たまり (岸本尚毅)