Quantcast
Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

雪被き夏柑光る坂の家

$
0
0
■ 雪被き夏柑光る坂の家
                           ( ゆきかずき なつかんひかる さかのいえ )

イメージ 1先週の土曜日は、自宅の近くでも薄っすらと雪が積もった。

雪国のように雪掻きするほど積もってなかったので、早速散策にでかけ、様々な木々が雪に覆われている景を楽しんだ。

特に南天の朱い実、椿の紅い花などが白い雪の間から見える様子は一幅の絵になる。

他にも蝋梅の黄色い花も見えたが、ある路地では夏柑(夏蜜柑)が雪を被いて黄色く光っているのが見えた。

本日の掲句は、その様子を詠んだものである。

尚、「夏柑」「夏蜜柑」は春(もしくは夏)の季語だが、本句では「雪」を冬の季語として冬の句とした。
*通常の「蜜柑」は冬の季語。






ところで、京都に住んで意外だったことの一つは、この夏蜜柑を庭に植えているお宅が結構あるということである。年末から黄色く色づく景は、冬の風物詩にもなっている。

イメージ 2因みに、「夏柑」については、過去に以下の句を詠んでいる。

     【関連句】
      ① 夏柑の聖樹の灯りに見ゆる日よ
      ② 冬晴れに夏柑の黄の眩しきや

イメージ 3①は、クリスマス前に詠んだ句。遠くから見れば、クリスマスツリー(聖樹)に丸い星飾りが沢山つけられているように見える。
②は、京都御苑を訪れた時、南門に夏蜜柑が沢山の実をつけているのを見て詠んだ句。冬晴れの空に黄色が映えていた。

イメージ 4夏蜜柑(夏柑)は、ミカン科ミカン属の柑橘類の一つ。江戸時代中期、黒潮に乗って南方から、山口県長門市に漂着した種を播き育てたのが起源とされる。夏橙(なつだいだい)ともいう。

晩秋に色付くが、春先までは酸味が強く、当初食用には向かないと言われていた。しかし、初夏になると酸味が減じることが分かり、夏の貴重な柑橘類として広く栽培されるようになったとのこと。

イメージ 5尚、昭和初期に大分で夏蜜柑の枝変わり種の甘夏蜜柑が発見され、現在「夏蜜柑」と言えば、「甘夏蜜柑」「甘夏」を指す事が多いとのこと。

イメージ 6「夏柑」「夏蜜柑」「甘夏」に関する句はままある。以下にはネットで見つけた句をいくつか参考まで掲載する。

    【夏柑等の参考句】
     満山の仏とあそぶ夏蜜柑     (加藤楸邨)
     夏蜜柑人親切に空青く      (京極杞陽)
     夏蜜柑熟るゝに花も匂ひけり    (佐藤瑠璃)
     夏蜜柑いづこも遠く思はるる    (永田耕衣)
     朝もぎの甘夏を売るシーサイド (金元喜代子)

イメージ 7

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

Trending Articles