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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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三椏の蕾さながら散る霰

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■ 三椏の蕾さながら散る霰 
                               ( みつまたの つぼみさながら ちるあられ )

イメージ 1イメージ 2昨日、一昨日と花の代りに面白い果実を取り上げてきたが、今日は蕾を取り上げたい。

取り上げるのは「三椏(みつまた)」の蕾。現在、春の開花に備え、様々な植物の蕾が膨らんできているが、三椏の蕾は、個別に見ても、全体的に見てもユニークである。

まず、個別に見れば、モップあるいはブラシのような感じである。そのことをかつて以下のように詠んだ。 (右写真参照)

 三椏の蕾ブラシの如く冬
                    (原句一部修正)

また、少し離れて木を全体的に見れば、まるで雪が降っているように見える。 そのことを過去には以下のように詠んだ。

 
三椏の蕾小雪の降る如く








本日の掲句は、この句とあまり変わらないが、今現在の三椏の蕾を記事に取り上げるために敢えて詠んだ。「小雪」がいいか「霰(あられ)」がいいかは迷うところである。

尚、「三椏の花」は春の季語だが、「三椏の蕾」は季語でないので、本句では「霰」を冬の季語として使った。 注)比喩で季語を使った場合、季語としては機能しないという説もある。

イメージ 3細かいことだが、「霰」は「降る」のか「散る」のか。一般的には「降る」が正解だと思うが漢字は「雨」+「散」なので、本句では「散る」を使ってみた。ひょうとしたら、「霰」は細かい氷の粒が地表に当たって散らばるイメージを表したものなのかもしれない。

事のついでに言えば、気象用語で、氷の粒が直径5mm未満であれば「霰」、5mm以上なら雹 (ひょう)というそうだ。

イメージ 4三椏(三又)はジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。原産地は中国中南部、ヒマラヤ地方で、江戸時代初期に渡来した。

蕾は12月頃から見られるが、それが3月から4月にかけて綻び、黄色や赤色のラッパ状の小花が密集させた華やかな花となる。花は沈丁花に似た香りを放つ。


イメージ 5樹皮には強い繊維があり、和紙の原料として用いられている。皺になりにくく、虫にも強いので1万円札などの紙幣や証紙など重要な書類に使われることが多いとのこと。

名前は、 枝が常に三本ずつに分岐することからつけられたとのこと。漢字では「三椏」と書くが、「椏」は「あ」ともよみ、木の股の意。そのまま「三又」とも書く。

イメージ 6季語になっていないせいもあり、「三椏の蕾」を詠んだ句がほとんどないので、参考句は割愛する。

イメージ 7



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