■ 寒梅や絵馬のあふるる天満宮
( かんばいや えまのあふるる てんまんぐう )
それ故に咲く花も非常に少ないが、もうそろそろ早咲きの梅が咲き始める頃だと思い、先週の土曜日、京都の梅の名所の一つである「北野天満宮」に行ってきた。
境内に入ると多くの梅はまだ蕾のままだったが、中に数本早咲きの紅梅が満開になっていて、近づくと梅の甘い香りが漂ってきた。
ところで、北野天満宮は学問の神様である「菅原道真」が祀ってある神社で、受験シーズンともなると多くの受験生やその親御さんが訪れ、絵馬などで合格祈願する。
尚、「梅」は春の季語だが、1月中頃に咲くものは「寒梅」「寒の梅」または「早梅」「冬梅」と呼び、冬の季語になっている。
【関連句】
① 春来ぬと紛うばかりや寒の梅
② 寒梅やこれが終わりの始めとも
③ 早咲きの梅に寂しき香りあり
②は、厳しい冬が最終局面を迎え、春がもう直ぐそこに来ていることを詠んだ。
③は、①と同じく京都御苑の早咲きの梅の花を見て詠んだ句。この時は、この梅の木だけが花を咲かせていることに一抹の寂しさを感じた。
【寒梅、寒の梅の句】
寒梅や痛きばかりに月冴えて (日野草城)
寒梅に田楽面の古りにけり (石川魚子)
寒梅に夕日の真紅浸み透る (笹尾操子)
寒梅の蕾の芯はぬくからむ (池野健)
寒梅を見にゆくための歩を延ばす (寺岡捷子)