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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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寒梅や絵馬のあふるる天満宮

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■ 寒梅や絵馬のあふるる天満宮
                   ( かんばいや えまのあふるる てんまんぐう )


イメージ 1昨日1月20日は、二十四節気でいう大寒(だいかん)の日で、この前後は一年の内で最も寒い時期といわれている。

それ故に咲く花も非常に少ないが、もうそろそろ早咲きの梅が咲き始める頃だと思い、先週の土曜日、京都の梅の名所の一つである「北野天満宮」に行ってきた。

境内に入ると多くの梅はまだ蕾のままだったが、中に数本早咲きの紅梅が満開になっていて、近づくと梅の甘い香りが漂ってきた。














イメージ 2
ところで、北野天満宮は学問の神様である「菅原道真」が祀ってある神社で、受験シーズンともなると多くの受験生やその親御さんが訪れ、絵馬などで合格祈願する。

イメージ 3本日の掲句は、そんな合格祈願の絵馬と寒梅との取り合わせで詠んだ句である。おりしも訪れた19日は大学入試センター試験の当日だった。

尚、「梅」は春の季語だが、1月中頃に咲くものは「寒梅」「寒の梅」または「早梅」「冬梅」と呼び、冬の季語になっている。

イメージ 4因みに、「寒梅」「早梅」に関しては過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① 春来ぬと紛うばかりや寒の梅
    ② 寒梅やこれが終わりの始めとも
    ③ 早咲きの梅に寂しき香りあり

イメージ 5①は、丁度今と同じころ京都御苑の梅林で早咲きの梅を見て詠んだ句である。
②は、厳しい冬が最終局面を迎え、春がもう直ぐそこに来ていることを詠んだ。
③は、①と同じく京都御苑の早咲きの梅の花を見て詠んだ句。この時は、この梅の木だけが花を咲かせていることに一抹の寂しさを感じた。

イメージ 6梅は、バラ科サクラ属の落葉高木で原産地は中国。奈良時代の遣隋使または遣唐使が中国から持ち帰ったと言われている。

イメージ 7当時、「花」といえば梅を指すことの方が多かったが、平安時代中頃から梅より桜が愛好されるようになり、「花」といえば桜を指すようになったとのこと。

イメージ 8花期は1月中頃から3月末。葉に先立って五弁の花を咲かせる。花色は白、またはピンクから赤。「万葉集」の頃は白梅が、平安時代になると紅梅がもてはやされたとのこと。

イメージ 9「梅」詠んだ句は数え切れないほどあるが、その中から特に「寒の梅」「寒梅」を詠んだものをいくつか選定し以下に掲載した。(過去に掲載したものを除く。)

    【寒梅、寒の梅の句】
     寒梅や痛きばかりに月冴えて    (日野草城)
     寒梅に田楽面の古りにけり     (石川魚子)
     寒梅に夕日の真紅浸み透る     (笹尾操子)
     寒梅の蕾の芯はぬくからむ     (池野健)
     寒梅を見にゆくための歩を延ばす (寺岡捷子)

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