■ 寒木瓜の静かに咲ける小道かな
( かんぼけの しずかにさける こみちかな )
そんな中、沿道に植えてある木瓜(ぼけ)が何輪か花を咲かせていた。春に見かける木瓜の花とは違い、花は小さめで色も控え目。
毎年、この時期に花を咲かすが、今年もちゃんと花を咲かせている。本日の掲句は、そんな様子を見て詠んだ句である。「寒木瓜」は冬の季語。
【関連句】
① 寒ボケにピンボケトボケ平和ボケ
② 寒木瓜はぼけと言われてぼけもせず
②は、老人ボケの「ぼけ」を意識して詠んだ句。老人ボケは言うまでもなく、上記前者に属するが、目下そのボケが日々深まりゆくのを実感しているところである。
因みに、昨年は、あまり「ボケ」に拘るのは良くないと思い以下の句を詠んだ。
③ 寒木瓜の風に震える開花かな
尚、「寒木瓜」は特定の品種を指すのでなく、11月頃から咲き始めるものを、春に開花すものと区別するために付けられた名称。
【寒木瓜の参考句】
寒木瓜とわれとの日向方二尺 (水原秋櫻子)
寒木瓜に雫するもの皆常緑 (久米正雄)
寒木瓜の蕊のぞきたる花一つ (阿部ひろし)
寒木瓜を咲かせ垣なき草の庵 (佐藤正子)
寒木瓜や人よりも濃き土の息 (福永耕二)