■ 久々の春の陽気に京マラソン
( ひさびさの はるのようきに きょうまらそん )
毎日寒い日が続く。先日紹介した「早春賦」の「春は名のみの風の寒さや・・」とついつい口ずさむ今日この頃である。そんな中、先の日曜日は久々に春の陽気に恵まれ、3回目の京都マラソンが開催された。参加者が、過去最高の1万5532人。沿道の応援は46万人(主催者発表)にも上ったそうだ。
周知の通り、マラソンは、陸上競技の長距離走のひとつで、42.195Kmの公道コースを走り、順位や時間を競う種目である。古代ギリシアの故事に由来して、第1回近代オリンピックの創設に伴い陸上の新種目とされたことから始まった。
ちなみに、初期のマラソン競技は約40Kmで、距離が正確に決まっていなかったそうだ。第4回オリンピック(ロンドンオリンピック)が、42.195Km で行われた最初で、第8回オリンピック(パリオリンピック)以降はこれが定着したとのこと。
日本で最初に「マラソン」という言葉が使われた競技会は、1909年(明治42年)に神戸・湊川埋立地(現・兵庫区新開地)から大阪・西成大橋(現淀川大橋)までの 31.7Kmの「マラソン大競争」だそうだ。
現在では、日本陸連公認コースでの大会だけでも60近くあるとのこと。日本はひところ、マラソン王国と言われ、世界屈指のランナーも犇めいていたが、現在はやや下火。こうした大会から輝く新星が現れることを期待したい。
マラソンに関する句は少ないが、有名な句としては以下の句がある。
湾曲し火傷し爆心地のマラソン (金子兜太)
金子兜太氏の日銀長崎支店営業課長時代の作。人間を初め建物・地形に至るまであらゆるものが湾曲し火傷(かしょう)した、あの原爆投下から十数年の月日が流れた。その長崎の町を今苦しそうに口をあけ体を曲げ走っていくマラソンランナーの人々がいる。そんな情景に接して詠まれたのが本句である。無季、破調の句。