■ 秋山郷にて 二句
○ 幾星霜紅葉かつ散る秋山郷
( いくせいそう もみじかつちる あきやまごう )
*蛇淵の滝
旅行の三日目は、奥信州の秘境「秋山郷(あきやまごう」を訪れた。
秋山郷は、信濃川の支流、中津川の上流域に点在する集落(越後8集落、信州5集落)の総称。平家の落人の里と言い伝えられている。
長野県と新潟県にまたがる峡谷地帯で、東を苗場山(なえばさん)、西を鳥甲山(とりかぶとやま)に挟まれており、全長は約25km。
この地には、2年前にも同時期に訪れているが、今回は前回以上に峡谷全体が美しい紅葉に彩られていた。
*前倉橋
本日の掲句は、そんな自然の営みが、気の遠くなるほど長い間繰り返されてきたことに思いを寄せて詠んだ句である。
*見倉橋
中七の「紅葉かつ散る」は、文字通り、木の葉が紅葉し散ること。俳句独特の言い回しであり、秋の季語にもなっている。
*幾星霜:長い年月
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○ 紅葉背に浮き立つ白樺林かな
( もみじせに うきたつ しらかば ばやしかな )
天池の周りには多くの白樺が生育していて、白樺の「白」と紅葉の「赤」「黄」のコントラストが抜群であり、得も言えぬ景を作っていた。