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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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合歓咲けばバブルの夢を思い出す

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■ 合歓咲けばバブルの夢を思い出す 
              ( ねむさけば ばぶるのゆめを おもいだす )


イメージ 1合歓(ねむ)の花が咲きだしたのは確か6月の中頃だったと思う。それが散ってしまい盛りが過ぎたと思っていたら再び咲きだし、今も近くの大木に咲いている。

この花は、名前の「ねむ」という語感とピンクの花の色から、いろいろを想像を掻き立てる。今回はふとバブル期にテレビで見た「ジュリアナ東京」の女性達を思い出した。

「ジュリアナ東京」とは、当時流行った六本木界隈のディスコのことで、ボディコンというファッションで身を固めた女性が「お立ち台」で大きな扇を持って踊る。

その様子が、何度もテレビで放映されたから強烈に印象に残っており、その時に見たピンク色の扇が合歓の花と重なり、本日の掲句となった。「合歓咲く」は「合歓の花」「花合歓」とともに夏の季語。






*お立ち台の女性たち(ネットより)
イメージ 3バブル期と言えば、おおよそ1980年後半から90年代初頭。あれからもう30年も経つのか・・・・。

その当時何をしていたのか、はっきりとは思い出せないが、毎年給料が上がるのが当たり前で、結構わくわくした時代であったことは間違いない。




話は戻って、「合歓の花」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① くすぐれば夢にほほ笑む合歓の花
    ② 覚めざるを願う夢みし合歓の花
    ③ 合歓の花天女のかざす扇とも

イメージ 2
①は、乳飲み子が、母親に抱かれてぐっすりと眠っている様子をイメージしたもの。「ねむ」という言葉には、親が幼児をあやすような響きがある。
②は、夢の中で、覚めないで欲しいと願ったが、覚めてしまったという体験を詠んだ句。
③は、合歓の花を天女がかざす扇に例えて詠んだもの。

イメージ 4合歓の花とは、厳密に言えば、合歓の木(ねむのき)の花のこと。合歓の木は、マメ科ネムノキ属の落葉高木で、原産地は日本、南アジア。

花期は6~8月。一つの花に見えるものは、小さな花が10~20個集まったもので、薄紅色の糸のような部分は長く伸びた雄蕊である。別名でネム、ネブともいう。

イメージ 5名前の「ねむ」は、夜になると葉を閉じて眠ったようになることに由来する。花の柔らかい印象からも「眠り」を連想させ、ぴったりな名前のように思われる。

イメージ 6また、当て字の「合歓」は中国名からきている。ただ、この合歓(ごうかん)には、「男女が共寝して相歓び合う」という意味があり、夫婦円満の象徴として付けられたということは、意外と知られていないのではないだろうか。

イメージ 7「合歓の花」が詠まれた句は、これまでも何句か紹介したことがあるが、今回はそれ以外のものを幾つか以下に掲載した。

    【合歓の花の参考句】
     湯煙の消えてほのかや合歓の花 (高浜虚子)
     どの谷も合歓のあかりや雨の中  (角川源義)
     花合歓に夕日旅人はとどまらず   (大野林火)
     松島は合歓の花さへ松隠り     (鈴木鷹夫)
     象潟やけふの雨降る合歓の花   (細川加賀)

イメージ 8

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