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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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一時を花藻の川に流れたし  

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■ 一時を花藻の川に流れたし  
                            ( ひとときを はなものかわに ながれたし )

イメージ 1連日暑い日が続く。そういえば昨日23日は二十四節気の「大暑(たいしょ)」に当たる日で暑さが最も厳しくなると言われている。

暑さに関しては、連日、「猛暑」「酷暑」という言葉が聞かれるが、他にも「極暑(ごくしょ)」、「劫暑(ごうしょ)」、「炎暑(えんしょ)」、「溽暑(じょくしょ)」などという言葉がある。

今の状況をどの言葉で表現するのが相応しいのかなんて、のんびり構えている場合ではもはやなくなってきており、少しでも良いから和らいでほしいと思う今日この頃である。

本日の掲句は、そんな状況下ではあるが、少し近辺を散歩していた時に、疏水の水中に花を咲かせて揺らいでいる川藻を見て詠んだ句である。

一時でいいから、自分もあの川藻と一緒に流れてみたいというのが句意。よく見ると鯉が数匹ゆったりと水中を泳いでいた。「花藻」は「藻の花」とともに夏の季語。

ところで、この疏水に生えている川藻はなんていう名前なのだろうと思い、ネットで調べてみた。

●以下は、少し専門的になるので興味のない人はパスしていただき、写真と最後に掲載した参考のみご覧いただきたい。

イメージ 2まず、「川藻」で検索すると「川の中に生える藻」と説明されていたので、次に「藻類」を調べてみたが、これが間違いだった。   (以下は、少し専門的になるので興味のない人はパスしていただきたい。)

「藻類」は「そうるい」と読み、「酸素発生型光合成を行う生物のうち、主に地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称」とある。しかし説明を詳しく見るとどうも違う。

イメージ 3そこで、もう少し大きい括りで「水性植物(水草)」を調べてみたところ、以下の5つに分類されることが分かった。

①湿地植物: 根元が水中に浸っているだけのもの(ミズバショウ、イグサ、サワギキョウなど)
②抽水性植物: 根が完全に水面下にあり、茎や葉が水中から水面上に伸びるもの
                        (アシ、ガマ、カキツバタなど)
③浮葉性植物: 葉が水面に浮かんで、その表面が空気に触れているもの(スイレン、アサザなど)
④浮遊植物: 葉に浮袋があり株全体が水に浮かんで、根をはらずに漂って育つもの
                       (ホテイアオイ、ボタンウキクサなど)
⑤沈水性植物: 植物体が完全に水中にあるもの(クロモ、セキショウモ、エビモなど)


イメージ 4今回、疏水で見たものは、どうやら、この内の⑤に当たると思われる。そこで、白い花を手がかりに図鑑と突き合わせていくと、最初に「梅花藻(ばいかも)」にぶつかった。

しかし、この水草は五弁花で写真のものとは違う。そこで更に調べて見ると「大カナダ藻(おおかなだも)」が見つかった。この花は三弁花。どうやら、この花らしい。

イメージ 5大カナダ藻は、トチカガミ科オオカナダモ属の沈水植物。原産地は南アメリカの温暖地域。5月~10月かけて水上に白い三弁花を咲かす。雌雄異株であるが、日本では雄株のみが生育しているとのこと。

尚、この水草が「藻」と呼ばれるのは、藻類の植物だけでなく、水中に生える植物の総称として「藻」
が使われるためだと思われる。

イメージ 6
今回、「藻」及び「水生植物」について、ネットなどで調べながら記事をまとめたので結構時間がかった。まだ、表面的なことしか理解できていないので、間違いがあればご指摘のほどを。

イメージ 7「藻の花」「花藻」を詠んだ句は結構あり、以下には、その中からいくつかを選定し掲載した。

    【藻の花等の参考句】
     川越し女の脛に花藻哉       (高井几董)
     泥亀の隠れて動く花藻哉      (正岡子規)
     藻の花の楽譜の如し水の面    (高浜虚子)
     花藻咲く夢想国師の石庭に     (野見山朱鳥)
     藻の花の揺れしと見しが蝶となる (菖蒲あや)

イメージ 8

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