■ 地を這って飛んでるつもり紫鷺苔
( ちをはって とんでるつもり むらさきさぎこけ )
名前は、花の形を「鷺(さぎ)」、茎や葉が地面に広がる様を「苔(こけ)」に見立て、花の色が淡紫色であることから付けられてたそうだ。
▼▼
この花を最初に見た時は、なかなか鷺には見えてこなかったが、写真に撮ったものを見る内に、何となく鳥が翔んでいるように見えてきた。
そんな経緯から、最初に詠んだのは以下の句。
言われれば鷺翔ぶ如し紫鷺苔
尚、本日の掲句は、改めてその紫鷺苔の群生を見て、地を這いながら楽し気に飛び交っている鷺をイメージし詠んだもの。「鷺苔」「紫鷺苔」は春の季語。
紫鷺苔は、ゴマノハグサ科サギゴケ属の多年草。原産地は日本、中国、台湾、朝鮮。湿地、水田のあぜ道などの、日当たりの良いところに生える。
花期は3月~5月。淡紫色の唇状の小さい花を咲かせる。白い花のものもあり、白花鷺苔(しろばなさぎごけ)といわれるが、これが本来の鷺苔であるとのこと。
同属近縁の花に「常盤黄櫨(ときわはぜ)」があるが、花は小さく、茎が直立するという違いがある。
「鷺」といく名がついた植物では、鷺草(さぎそう)を思い出す人も多いと思うが、これは全く別の植物。ラン科サギソウ属の多年草で花期は7月~9月。最後尾に写真掲載。
「紫鷺苔」は春の季語だが、それを詠んだ句jはほとんどないので、参考句は割愛する。
*鷺草(8月中旬撮影)