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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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雄雌が分かれて垂るる花通草

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■ 雄雌が分かれて垂るる花通草 
              ( おすめすが わかれてたるる はなあけび )

                                                    *雄花
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京都の植物園には2週間おきに行っているが、それでもタイミングが悪く、出会わなかった植物がある。今日取り上げる「通草(あけび)」もその一つで、先日初めて実物を見た。

他のブログでは何度か見ていたが、思っていたよりも小さく、花の形が何か変。家に帰って調べたところ、この植物は雌雄同株で丸いのは雄花(右写真)、開いているのは雌花(下写真)だと分かった

*雌雄同株(しゆうどうしゅ)とは、同じ株で雄花、雌花があるもの。対して雌雄異株(しゆういしゅ)とは違う株に雄花、雌花がなるものをいう。

本日の掲句は、以上のことを知った上で詠んだ句だが、実のところ、この句は最近ちまたで話題になっていることに掛けて詠んだ句である。





 *雌花
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雄と雌は、人間で言えば男と女。それに絡む事件が最近非常に多い。その最たるものが官僚のトップが辞任に追い込まれたセクハラ事件。

女性の側からすれば、言語道断の許せないことだと思うが、男性の側からすれば、己の性癖で一瞬にして地位も名誉も奪われ、何とも情けなくも憐れに見える。


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とはいえ、世界は男と女で成り立っている。お互いの違いを認めつつ尊重して行くことが何よりも大切。ただ、問題を拡大しすぎて、窮屈にならないように願いたいものである。


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さて、ここからは余談だが、男女に関連する漢字に「嬲る」というものがある。一見していやらしそうな漢字だが、これを「なぶる」と読む。(パソコンのかな変換でも漢字が出てくる。)

意味は、「困らせたりいじめたりして面白がること。もてあそぶこと。」だが、男社会で生きる女性の大変さをイメージした人もいるかもしれない。



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一方、男女を入れ替えた「嫐る」という漢字もある。モテ男であれば、両手に花となるが、これも、「なぶる」と読み、意味に違いはないとのこと。最近ではMeToo運動で女性の標的にされオロオロしている男性がイメージされる。

尚、この「嫐」は「うわなり」とも読み、「後に迎えた妻、後妻」、そこから派生して「前妻の後妻に対する嫉妬、ねたみ」という意味に使われた。一人の男をめぐる女の争いも想起されるが、そういえば、最近それに似たようなことも話題になっていた。


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話は通草(木通)に戻るが、この植物はアケビ科アケビ属の蔓性落葉低木。花期は4~5月。既述の通り、雌雄同株で花弁は3枚。雄花の中央部には6本の雄しべが房状に、雌花の中央部には6~9本の雌しべが放射状につく。


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果実は9月~10月に淡紫色に熟し、果皮が裂ける。このことから「開け実」と言われ転じて「あけび」となったと言われている。

漢字の「通草」、「木通」は、蔓を切って吹くと空気が通ることから。



                  通草の実 →






「通草(木通)の花」を詠んだ句はままあるが、以下にはネットで見つけた句をいくつか参考まで掲載した。(俳句では「木通」でなく「通草」と表記されることが多い。)

    【通草(木通)の花の参考句】
     海鳴れり通草も黒き花を垂れ     (相生垣瓜人)
     細きみち人に遇はざり咲く通草    (及川貞)
     通草とはこんなに花の咲くものか  (青葉三角草)
     先端は空にをどりて通草咲く     (林翔)
     バスを待ちくたびれてをり花通草   (飴山実)

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