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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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蜜蜂の羽音かそけし蓮華畑

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■ 蜜蜂の羽音かそけし蓮華畑  
                              ( みつばちの はおとかそけし れんげばた )


イメージ 1今日取り上げる蓮華草(れんげそう)は、幼い頃、田んぼ一面に咲いているのをよく見かけたが、最近はほとんど見かけない。

調べてみると、かつては、緑肥(りょくひ)および牛の飼料とするため、秋に種を蒔き翌春に花を咲かせていたが、化学肥料が使われるようになってからはほとんど植えられなくなったためだそうだ。

蓮華畑と言われ昭和末頃までは、菜の花畑ととも「春の風物詩」とされていたのだが・・・。

そんな蓮華草ではあるが、先日、あるお寺の裏地で、その蓮華草が群生しているのに出会った。実は昨年も同じ場所で見ており、その時は以下の句を詠んだ。


 古寺の裏や紫雲英の花の苑 

*「紫雲英」は、蓮華草の別称で「げんげ」と読む。


                                                                   ▼▼▼
イメージ 2本日の掲句は、たまたま数匹の蜜蜂が花から花へと飛び回り吸蜜していたので、そのことを詠んだ。「蓮華畑」は、「紫雲英田」ともいい春の季語。


イメージ 3ところで、「蓮華草」の名前は、花の形や色が、その蓮の花に似ていることから付けられたと言われている。一方、「紫雲英」は、花が一面に咲いている様子が、雲が棚引いているようなので付けられた漢名。植物分類上では、この「紫雲英」が正式。


イメージ 4紫雲英(蓮華草)はマメ科ゲンゲ属の多年草で中国原産の帰化植物。日本には17世紀ごろに渡来し、明治以後になって急速に広まったとのこと。


イメージ 5花期は4月~5月。花は、葉腋から花柄を出し、その先端に輪生状にまとまって咲く。花色は紅紫色だが、まれに白色のものもある。


イメージ 6「紫雲英」もしくは「蓮華草」を詠んだ句はままあり、以下に何句か選んで掲載した。

    【蓮華草、紫雲英の参考句】
     蓮華草我も一度は小供なり     (正岡子規)
     紫雲英咲き熊野ふる道細りけり   (小山紫水)
     深々と紫雲英の中に轍ある     (長谷川櫂)
     紫雲英野を発つくれなゐの熱気球 (塩出佐代子)
     睡る子の手より紫雲英の束離す   (橋本美代子)


イメージ 7






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