■ 青空がまことお似合い花水木
( あおぞらが まことおにあい はなみずき )
最近は、街路樹として大通りの沿道に植えられているのをよく見かける。その花は3~4mぐらいの木全体に花を咲かせ、満開になると真に華やかである。
先日は、その花が、青空をバックに開いているのを見て、本当に青空が似つかわしい花だなとつくづく思った。
本日の掲句は、そんな感慨を詠んだもの。「花水木」は春の季語。
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因みに、花水木に関しては過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 碧落に紅き漣花水木
② あまた蝶舞うが如きに花水木
③ アメリカは遠くて近き花水木
① 碧落に紅き漣花水木
② あまた蝶舞うが如きに花水木
③ アメリカは遠くて近き花水木
①は、碧落(へきらく)=青い空をバックに、花が咲いている様子を波立つ漣(さざなみ)に喩えて詠んだ。本日の掲句と趣向は同じ。
②は、花を沢山の蝶の乱舞に喩えたもの。
③は、アメリカ産の花水木を、今日の日米関係にかけて詠んだ句。アメリカは地理的に非常に遠いが、親しさからいうと非常に近い関係にある。ただ、昨今のアメリカの状況には非常に危ういものがあり、距離感をどう保つかが極めて難しくなってきているように思う。
花水木は、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木で北アメリカ原産。日本の植栽は、1912年に当時の東京市長が、アメリカワシントンD.C.へ桜(そめいよしの)を贈り、その返礼として1915年に贈られてきたのが始まり。
花期は4月下旬から5月上旬で、葉に先だって白、薄紅(ピンク)、赤などの花をつける。但し、花弁のように見えるのは花を包んでいる総苞(そうほう)と言われるもので、中心の塊が花(序)。
名前は、ミズキの仲間であり、花が非常に目立つことに由来する。別名に「アメリカヤマボウシ」があるが、これは日本の近縁種の山法師(やまぼうし)に似ていることからつけられたとのこと。(最後の写真参照)
「花水木」を詠んだ句はままあり、これまでも何句か紹介したことがあるが、以下にはそれ以外のものを掲載した。
【花水木の参考句】
生国やいまのまぼろし花水木 (齋藤玄)
客間に客そして家裏花水木 (阿部完市)
会うために生まれきし朝花水木 (高澤晶子)
街路樹となつて満開花水木 (清水幸子)
散りてより森にまぎれし花水木 (芳田良太)
*山法師 (花期5月~6月)