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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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旨そうな桜餅のごと八重桜

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■ 旨そうな桜餅のごと八重桜 
                              ( うまそうな さくらもちのごと やえざくら )

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近辺の桜はすっかり葉桜状態になっているが、その中に時々まだ花を咲かせているものが見られる。遅咲きの八重桜である。

先日たまたま、満開になっている八重桜に出会い、ぼんやりと花を眺めていると、ふとその花の形が先日食べた桜餅にそっくりなのに気がついた。

ぽちゃりとした花、その上の少し赤茶けた葉。それが何とも旨そうにも見え、本日の掲句を詠んだ。「桜餅」「八重桜」はともに春の季語なので本句は季重なり。


ところで、この情景を見て思ったことは、ひょっとして、桜餅は八重桜を模して作ったのではないかということ。

そこで、早速、桜餅の由来について少し調べてみたが、予想とは全く違っていた。

まず、桜餅は、京保二年(1917年)、東京隅田川の向島にある長命寺門前の店が、餅を桜の葉で巻いて売り出したのが始まりとされている。
                                *桜餅(関西風)

イメージ 2
餅の色は今のように桜色(ピンク)でなく白色。名前は、柏餅と同じで単に桜の葉で巻いた餅という意味でつけられた。

どうやら、八重桜の花を模して作られた訳ではな
さそうだ。

更に、桜餅には、関東風桜餅(長明寺餅)と関西風桜餅(道明寺餅)があるとのこと。

写真のものは関西風桜餅で、ぽっちゃりとした感じだが、関東風のものは餡を餅の生地で円筒形に巻いたもの。

かなり形が違うので、本日の掲句は、関東の方にはイメージしにくいかもしれない。


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話は戻って、八重桜に関しては過去に以下の句を詠んでいる、

   【関連句】
    ① ゆっくりと咲くもまたよし八重桜
    ② ふくよかな光放ちつ八重桜


イメージ 4

①は、他の桜に遅れて、ゆっくりと咲くのもいいじゃないかというのが句意。
②は、八重桜が、晩春の柔らかな光を受けてふっくらと咲いている様子を見て詠んだ句。


イメージ 5

八重桜は、サトザクラで八重咲きになるサクラの総称。特定の品種の名ではない。品種で有名なのは「関山(かんざん)」「一葉(いちよう)」「普賢象(ふげんぞう)」など。ただ、名札がないとなかなか区別ができない。


開花時期は品種により多少違うが、染井吉野などよりも2週間ほど遅く、4月中旬から5月初旬頃。花の形から「牡丹桜(ぼたんざくら)」とも呼ばれている。



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「八重桜」の参考句はこれまで何回か取り上げたことがあるので、今回は「桜餅」を詠んだ句を参考まで掲載した。

    【桜餅の参考句】
     さくらより少し色濃し桜餅      (森澄雄)
     葉のぬれてゐるいとしさや桜餅  (久保田万太郎)
     川風の軽きをまとひ桜餅      (橋本榮治)
     桜餅今日さざ波の美しく      (大木あまり)
     風の日はものみな遠く桜餅    (鷹羽狩行)


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