Quantcast
Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

花屑の上や花韮咲き誇る

$
0
0
■花屑の上や花韮咲き誇る 
                                  ( はなにらの うえや はなにら さきホコる )

イメージ 1
昨日は海津大崎の桜が満開になっているという記事を掲載したが、近辺の桜はというとほとんどが散ってしまった。

ただ、散った桜の花びらを敷物のようにして咲いている花がある。それが、今日取り上げる「花韮(はなにら)」である。

この花は、桜の開花と同じ時期に咲くが、桜が咲いている時はあまり注目されない。しかし、桜が散った後もしばらく可憐な姿を見せてくれている。

本日の掲句は、そんな様子を詠んだものである。

「花屑」は散り落ちた桜の花びらのことで春の季語。「花韮」も春の季語だが敢えて句重なりとした。






                              ▼▼
イメージ 2

因みに、「花韮」に関しては過去にも何句か詠んでいる。

   【関連句】
     ① 桜にも負けじと花韮群れ咲きぬ
     ② 桜散り地は花韮の盛りかな


イメージ 3

①は、満開に咲いている桜の樹下で群生している花韮を見て詠んだ句。まるで桜と競っているがごとく咲いていた。
②は、桜が散った後も、その下で群れ咲いている花韮を見て詠んだ句。特に韻律(リズム)を重視した。本日の掲句と着想は類似。
①も②も桜と対比させて詠んだ句だが、詠んだタイミングが若干違う。


イメージ 4

花韮は、ヒガンバナ科ハナニラ属(古い分類でユリ科とも)の多年草で南アメリカ原産。日本には、明治時代に園芸植物(観賞用)として渡来。
花期は、2月中旬~5月中旬。花は六弁で色には白の他に薄紫色がある。

名前は、葉が韮に似ており、ちぎると韮特有の匂いがすることから付けられたとのこと。別名に西洋甘菜(せいようあまな)がある。


イメージ 5

尚、野菜の「韮」は、ネギ科ネギ属で、花は秋に咲くがほとんど似ていない。ま
た、食用として「花韮」というものがあるが、これも全く別のもの。本稿の花韮は有毒で、食べると中毒になるとのこと。


イメージ 6

「花韮」は身近な草花だが詠まれた句は意外と少ない。以下には、ネットで見つけた句をいくつか掲載した。

    【花韮の参考句】
     花韮や歩いて行けば猫神社      (星野麥丘人)
     花韮の花賞でらるるそよぎかな    (宮津昭彦)
     花韮の風の弾めりヘリポート     (毛塚静枝)
     花韮の紫うすき翳りかな        (岸典子)
     花韮のはかなきまでに白き日々   (中嶋秀子)

イメージ 7


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

Trending Articles