■ 躑躅にも日陰を好むものもあり
( つつじにも ひかげをこのむ ものもあり )
ただ、その花が咲き始めるのは4月の終わり頃で、今はまだ莟のものが多い。しかし、山野に行けば、既に満開を迎えている躑躅もある。
その代表格が「三つ葉躑躅(みつばつつじ)」で、その紫色が芽吹き前の木々をバックに映える。(最後尾に写真掲載)
その他にもいくつかあるが、本日は「日陰躑躅(ひかげつつじ)」という面白い名前のものを取り上げたい。
この躑躅は、その名の通り、あまり日が当たらないところで生育している。色も薄い黄色で、あまり派手な感じはしない。
この躑躅を初めて見たのは、やはり植物園なのだが、第一印象は躑躅としては何とも地味な花だなというもの。
●しかし、見慣れてくると非常に控えめで清楚な感じがしてくる。そんなこともあり、愛好する人多いそうだ。
本日の掲句は、そんな花を見て詠んだ句。躑躅と言えば、日当たりを好み派手な色のものを思い浮かべるが、なかには日陰を好むものをあるのだなというのが句意。「日陰躑躅」は「躑躅」の仲間であり春の季語。
ところで、人間の世界でも、常に脚光を浴びたい人、派手好きな人がある反面、あまり目立つことが嫌いで、いつも地味に振る舞っている人がいる。
それは、その人がもって生まれた性分だと思うが、どれが良いかは一概に言えない。自分はというと、その中間といったところか。
それはさておき、いろいろな人や花があるから何とも世の中は面白いのだと思う今日この頃である。
「躑躅」を詠んだ句はたくさんあるが、「日陰躑躅」を詠んだ句は見つからなかったので参考句は割愛する。