■ メタセコイヤの太古に続く冬の天
( めたせこいやの たいこにつづく ふゆのてん )
メタセコイヤという樹木は針葉樹の一種で、生長すると樹高25mから30mにもなる。したがって、こちらでは植物園ぐらいでしか見られない。先日見に行ったところ、秋頃に赤茶色に紅葉していた葉が全て落ちていて、ほぼ裸木状態であった。
メタセコイヤの裸木もまためちゃすごい(や)
次に、下句を「めちゃせこいや」にして句はできないか考え、以下の句を詠んだ。
メタセコイヤと比べてみればめちゃせこい(や)
さて、句ができたものの、これをそのまま投稿して良いかどうか。いろいろ迷ったが、やはりこれだけでは顰蹙を買うと思い、改めて考えたのが、本日の掲句である。
メタセコイヤは、日本では新生代第三紀層(6500万年前~200万年前)の化石として発見され、絶滅した種とされていたが、1946年に中国で現存することが確認され「生きている化石」とも呼ばれているそうだ。掲句は、それを知って詠んだものである。季語は「冬の天」で季は冬。
メタセコイヤは、スギ科メタセコイヤ属の針葉樹で、葉はモミやネズに似て線のように細長い。常緑でなく、既述の通り赤茶色に紅葉して落葉する。結実は多く、秋から冬にかけて無数の種が地表に落ちる。和名に、曙杉(あけぼのすぎ)があるがあまり知られていない。
1949 年、種子から育苗していたアメ リカの博士から天皇に献呈されたのが 日本に入ったメタセコイヤ第 1 号で、 翌年、100本の苗木がアメリカから送 られ、それらの木から挿し木 された苗 が日本各地に広がり、学校等に移植さ れたそうだ。 滋賀県高島市のメタセコイヤ並木が有名。
メタセコイヤはメタセコイアとも表記させるが、参考句としては以下のものがあった。
メタセコイアの大樹三本紅葉す (元風骨)
冬枯れのメタセコイアのこの微熱 (鶴濱節子)