■ ひそやかにスノードロップ冬の苑
( ひそやかに すのーどろっぷ ふゆのその )
咲いていた数少ない花として、昨日は椿の一種「侘助」を掲載したが、他には「スノードロップ」という草花をあげることができる。
スノードロップをよく知っている方の中に、この花は、春先の2月頃咲くのではと思われた方もいると思うが、咲いていたのは早咲きの品種。
調べて見ると、早いものは11月頃から咲き始めるとのこと。ただ、通常の花期は2月~3月なので、季語としては春に分類される。
本日の掲句は、そんなことも考慮しながら詠んだ句で、下五を敢えて「冬の苑」として冬の句とした。
勿論、立春以後に春の句として詠むこともできるが、まだ大分先であるし、実際に見た感じが違ってくるのでやむを得まい。
このように、実際の花期と季語の区分がずれることはままある。そういう場合は、できるだけ強い季語(その季節以外にありえない季語)を入れるようにしている。
【関連句】
① 俯きのスノードロップ冴え返る
② 森閑とスノードロップ咲く野かな
③ 木漏れ日に春をいざなう待雪草
②も、同じ植物園で詠んだ句だが、森の中で人知れず咲いている様子をイメージして詠んだ。
③は、この花が周囲の樹々の間から差し込む日にあたって、透き通るように光っているのを見て詠んだ句。この句では和名の「待雪草」を使用した。
花は、外側に大きな花びらが3枚、その内側から顔をのぞかせるように小さな花びらが3枚つく。内側の花びらは重なり合って筒状になり、緑色の大きな斑が入るのが特長。一本の花茎に一輪の花が付く。
似た花に「鈴蘭水仙(すずらんすいせん)」あるいは「スノーフレーク」という草花がある。この花は、3月~4月にかけて咲き、花の形が鈴蘭にそっくりなので慣れてくると容易に区別できる。(最後の写真参照)
▼よく似た花:「鈴蘭水仙」=「スノーフレーク」 (4月初旬に撮影)