■ 鳶 二句
○ 冬天に鳶が群れ翔ぶ何やらん
( とうてんに とびがむれとぶ なにやらん )
○ 滑空を楽しむ鳶や冬日和
○ 滑空を楽しむ鳶や冬日和
( かっくうを たのしむとびや ふゆびより )
暫く歩いて、下鴨神社の近くの出町橋に近づいた時に、目に入ってきたのは、多数の鳶(とび)が群れ飛んでいる光景。
この地点は、鳶が多数生息していることは以前より知っていたが、こんなにも沢山飛んでいるのを見たのは初めてだった。
ざっと見たところでは20~30羽ぐらい。しかも、鳩のように編隊を組むこともなく、自由気ままに大空を飛び交っている。
本日の掲句は、そんな様子を見て詠んだ句である。
第一句は、鳶が群れ翔ぶ様子を見て、一体何が起こったのだろうと驚嘆したことをそのまま詠んだ。ちょっと不気味だった。「冬天」は冬の季語。
*何やらん:何事なのだろう。
ところで、鳶と言えば、空高く飛び、翼を大きく広げて旋回しているとのをよく見かける。
一体彼らは何をしているのだろう。一説によれば、鳶は非常に目がよく、高いところから獲物を捜しているとのこと。
ハングライダーに乗ったことはないので分からないが、大空を自由自在に飛ぶことは、鳶にとっても痛快なことに違いない。
*滑空(かっくう):グライダー、ハンググライダーなどによる降下飛行。空を滑るように飛行すること。
【関連句】
① 蜻蛉飛び鳶飛び交う梅雨晴間 *蜻蛉(とんぼ)*鳶(とんび)
② 鳶も見ん糺の森の冬紅葉 *糺の森(ただすのもり)
③ 芽吹く枝に魚を啄む鳶を見る
②は、京都の下鴨神社境内にある「糺の森」の真上を飛んでいた鳶と冬紅葉の配合を考えて詠んだ句。
③は、たまたま鳶が大木の枝で、大きな魚をうまそうに啄んでいるのを見て詠んだ句。鳶が肉食系の猛禽類であることが初めて確認できた。
餌は、主に動物の死骸やカエル、トカゲ、ヘビ、魚などの小動物。都市部では生ゴミなども食べ、公園などで弁当の中身をさらうこともある。
記事が長くなったので、参考句は割愛する。