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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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満開になるも寂しき冬桜

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■ 満開になるも寂しき冬桜 
                        ( まんかいに なるもさびしき ふゆさくら )

                                                   ▼子福桜
イメージ 1昨日も記したように、先週の土曜日、2週間ぶりに植物園に行ってきた。

紅葉もほぼ終わりを迎え、園内には裸木ばかりが目立つ。花と言えば、秋の名残とも言えるコスモスや菊などが、ある一画でこじんまりと咲いているだけ。

何にもないなと思いながら、蕭条とした内を暫く散策し、そろそろ帰ろうかと思っていた矢先に遭遇したのが「子福桜(こぶくざくら)」。

前回来た時もそれなりに花を咲かせていたが、今が丁度満開になっているようで、木全体に目いっぱい花を咲かせていた。

本日の掲句は、その桜を見て詠んだ句である。花そのものは結構可憐で、春の桜と同様に美しいのだが、ひっそりとした雰囲気の中で咲くためか、華やかさよりも寂しさを感じさせる。

下五については、「子福桜」があまり知られていないため「冬桜」とした。俳句では、冬に咲く桜を総称して「冬桜」あるいは「寒桜」と言い、冬の季語にもなっている。但し、「冬桜」「寒桜」は、個別の品種名にもなっているので注意を要する。

▼子福桜
イメージ 9尚、植物園では「子福桜」の他に「冬桜」(個種)、「四季桜」が満開だったので、写真のみ掲載した。

*子福桜:十月桜と支那実桜の雑種。開花は十月桜と同様。花弁が20枚~30枚と多い。1つの花から2つ以上の実をつけるので、この名に。
*冬桜:11月~12月と4月の二度咲き。白色~淡紅色で一重咲き・小輪。別名小葉桜。
*四季桜:豆桜と江戸彼岸との雑種。10月頃から咲き始め4月に盛りとなる。花は一重の白又は淡紅色

▼子福桜
イメージ 2因みに、「冬桜」「寒桜」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① 塀越しに春の華やぎ冬桜
    ② 学び舎の試験控えて寒桜
    ③ おしなべて冬の桜は淋しかり

▼子福桜
イメージ 3①は、12月中旬頃ある路地を歩いている時に、塀越しに冬桜を見て詠んだ句。
②は、1月下旬ある大学の横を通った時に、満開になっている寒桜を見て詠んだ句。
③は、冬桜の見ての印象を詠んだもの。着想は本日の掲句と類似。

▼子福桜
イメージ 4
「冬桜」「寒桜」を詠んだ句は結構ある。本ブログでも以前何句か紹介したが、今回はそれ以外のものを選んで掲載した。

    【冬桜、寒桜の参考句】
     寒桜鰤寄る潮のうちかすみ   (水原秋櫻子)
     寒桜交はり淡くして長し     (古賀まり子)
     天つ日の褻にも晴れにも寒桜 (石原八束)
*褻(け):晴れでないこと、日常。
     冬桜波のひかりと光りあひ   (正円青灯)
     うす紙のごとき日をのせ冬桜  (行廣すみ女)

▼冬桜
イメージ 5
▼冬桜
イメージ 6▼四季桜
イメージ 7▼四季桜
イメージ 8
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