■ 我が庭に落ちて実生の実南天
( わがにわに おちて みしょうの みなんてん )
その庭に数年前から南天(なんてん)の木が根付き、それが現在2m程まで生長し今年も沢山の実を付けた。
特に、種を撒いたり、挿し木をして育てた訳ではないので、多分鳥か風がこの場所に種を落とし、それがうまく根付いたものと思う。
何も世話をしていないのに、あの小さな実からここまで生長するとは。改めて南天の生命力の強さに感嘆する。
本日の掲句は、そんな思いをもって詠んだ句。「実南天」とは「南天の実」のことで冬の季語。(秋の季語とするところもある。)「南天の花」「花南天」は夏の季語。
【実生(みしょう)】 種子から発芽したばかりの植物のこと。 子葉や第一葉のある時期を指し、一般にいう芽生えのこと。 転じて種子から発芽させて新しい植物体(苗)を得ることをいい、また広義にはそうして得られる成長した植物体をも指す。(ウィキペディアより)
我が庭に飛来の南天赤極む
こちらは、特に南天の実の際立つ赤に注目して詠んだもの。掲句とは、若干見方が違う。
【関連句】
① 実南天難多ければたわわなり
② シロップのごとき滴や実南天
②は、南天の赤い実が雨に打たれ、透明なシロップをかけたようになっているのを見て詠んだ句。
園芸品種として、実が白い「白実南天」、オレンジ色の「うるみ南天」、実がならず葉色が変わる「お多福南天」などがある。
*近所の南天「南天」「実南天」を詠んだ句は非常に多い。以前に何句か紹介したことがあるが、以下には、それ以外のものを掲載した。
【実南天等の参考句】
とやかくの家相を払ふ実南天 (能村登四郎)
実南天曙楼は古びけり (川端茅舎)
不退寺の実南天また実南天 (石田勝彦)
実南天笑みのこぽるるばかりなり (高澤良一)
実南天曙楼は古びけり (川端茅舎)
不退寺の実南天また実南天 (石田勝彦)
実南天笑みのこぽるるばかりなり (高澤良一)
しぐれたるあとの日が射し実南天 (鷲谷七菜子)
*近所の南天