■ チョコレートの味がするかも唐辛子
( ちょこれーとの あじがするかも とうがらし )
今頃に唐辛子と訝る人もいると思うが、花は6月~8月頃に咲き、果実は7月頃から結実するので、そう思われても仕方がない。
しかし、その果実がまだ活き活きと艶光ってなっていたのである。調べたところによれば、結実するのは11月頃までだそうだ。
ところで、唐辛子と言えば、「鷹の爪」と言われる「赤唐辛子」を思い浮かべられるのではないだろうか。
実のところ、唐辛子はこれだけでなく、非常に沢山の種類がある。その中でも鑑賞用に栽培されているものが、今日取り上げる唐辛子である。
とは言っても、植物園などでご覧になっていない方にはイメージしにくいと思うので、まずは掲載している写真をざっとご覧いただきたい。
何ともカラフルな唐辛子だが、これを見るといつも幼き頃に食べた「マーブルチョコレート」を思い出す。色とりどりのおはじき状の小粒のチョコレートが、筒状の容器に入っていた。
*マーブルチョコレート:大手食品会社「明治(旧明治製菓)」が製造販売している日本初の粒状のチョコレート。1961年に開発。「7つの色が揃ったチョコレート」というキャッチフレーズで発売し、子供達に爆発的な人気となり、以来ロングセラーとなる。「マーブル」は「大理石」「おはじき」の意。
とうがらし甘そに光るものもあり
見た印象を詠んだもので、趣向は掲句とほぼ同じ。
花期は6月~8月で白い花をつける。7月~11月頃に結実し、その果実は香辛料または野菜として食用にされる。
【唐辛子の参考句】
とり入るる夕の色や唐辛子 (高浜虚子)
笑ひゐて可笑しくなりぬ唐辛子 (長谷川双魚)
みづからの辛さで曲り唐辛子 (檜紀代)
ひととびに寒さ来る地ぞ唐辛子 (村越化石)
唐辛子一糸まとはず熟れにけり (田川飛旅子)