■ 山牛蒡ねばる根っこを牛蒡抜き
( やまごぼう ねばるねっこを ごぼうぬき )
葉もかなり色づき、萎れてきたので、もういいだろうと思って引っこ抜いたら、こんな根が出てきた。長いもので30cm以上あり、まさに本物の牛蒡のようである。
先のブログでは、その果実から見て「山葡萄」といった方が良いのではと言ったが、この根を見て漸く「山牛蒡」と呼ばれることに合点がいった。
本日の掲句は、そんな山牛蒡の根を抜いた時のことを詠んだものである。
その感触は実際に抜いて見ないと分からないと思うが、最初抜こうと引っ張った時は、びくとも動かなかった。それを中七で「粘る」と表現した。
ところが、抜け始めるとするする抜ける。ひょっとして、これが「牛蒡抜き」の意味なのかと思い念のためネット辞書で調べたら、以下の意味が記載されていた。
【牛蒡抜き】
①(牛蒡を抜く時のように)棒状のものを一気に引き抜くこと。
②大勢の中から一人ずつ順々に引き抜くこと。 「デモですわりこんだ者を-にして排除する」
③競走で,数人を次々と追い抜くこと。 「ゴール直前で-にする」
②大勢の中から一人ずつ順々に引き抜くこと。 「デモですわりこんだ者を-にして排除する」
③競走で,数人を次々と追い抜くこと。 「ゴール直前で-にする」
序に言えば、「大根引き(だいこんひき)」は今頃から始まり、冬の季語にもなっている。
*10月中頃撮影
掲句を詠むにあたって、もう一つ確認したことがある。それは、「粘る」という語源である。ひょっとして、その語源は「根張る」にあるのではないか。
調べて見たところ、「粘る」の意味は、「①やわらかでよく伸び,物にくっつきやすい状態である。②あきらめずに根気よく続ける。」ということ。
*9月中頃撮影
どうも「根張る」とは直接的な関係はなさそうだ。尚、盆栽用語としては「根張り」があり、「土の表面より外に出て見える樹木の根元の上根の状態。」をいう。
ところで、この山牛蒡の食べられるのだろうか。以前にも記述したが、山牛蒡は全体が有毒であり、根も食べると嘔吐や下痢を起こすそうだ。
*8月末に撮影
尚、本記事は、主として洋種山牛蒡の根について紹介することを目的としているので、参考句などは割愛したい。
*山牛蒡の実を潰すと赤紫色の汁が出る。このことから「インクベリー」とも呼ばれている。