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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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白露にて露草いよよ艶めけり

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■ 白露にて露草いよよ艶めけり 
                                 ( はくろにて つゆくさ いよよ つやめけり )

イメージ 1今日は、二十四節気の白露(はくくろ)に当たる。

この日は、『暦便覧』で、「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と説明され、この日より秋はいよいよ本格的となり、野の草には露が宿るようになると言われている。

さて、昨夜から少し雨が降っていたが、朝方は晴れていたので近辺を少し散歩した。

その時に目に入ってきたのが、本日取り上げる「露草(つゆくさ)」で、葉や花に水玉を浮かべて咲いていた。

雨滴なのか露なのか分からないものの、何とも艶めいた風情であった。

本日の掲句は、そんな露草の様子を見て詠んだもの。「白露」「露草」ともに秋の季語だが、敢えて季重なりにした句である。

因みに、「露草」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。


   【関連句】
    ① 露草は梅雨より出でて露に消ゆ
    ② 露草の瑞々しきや水の青
    ③ 露草の可も不可もなき河原かな


イメージ 2①は、露草が6月の梅雨の頃に咲き始め、露の降りる秋に咲き終えることを詠んだ。
②は、露を帯びた水色の花と緑の葉が、瑞々しい光を発している様子を詠んだ。
③は、京都市内を流れる鴨川の畔を散策した時に詠んだ句。幼い頃から慣れ親しんだ露草が、昔のままに今も変わらず咲いていることを詠んだもの。


イメージ 3露草は、ツユクサ科ツユクサ属の一年生植物。花期は6月~10月と長い。花は青色で、花弁は3枚。上部の2枚は青く大きいが、下部の1枚は白く小さく目立たない。半日花と言われ、早朝に咲き午後には萎んでしまう。


イメージ 4露草の名前は、「梅雨の時期に咲く花」という意味でつけられたと長い間思っていたが、本当の由来は、朝咲いた花が昼しぼみ朝露を連想させる、あるいは露を浴びながら咲くということによる。

別名に月草(つきくさ)、蛍草(ほたるぐさ)、帽子花(ぼうしばな)、青花(あおばな)などがある。


イメージ 5身近な草花であることから、「露草」を詠んだ句は非常に多い。以下には、その中から何句かを選んで掲載した。(過去に掲載したものを除く。)


   【露草の参考句】
    露草や飯噴くまでの門歩き    (杉田久女)
    露草や出水がなせる江のほとり (水原秋桜子)
    露草や濃淡絶し今朝の空     (中村草田男)
    露草の田水に足をとられけり   (角川源義)
    露草の葉に露草の涙かな     (西村和子)



イメージ 6


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