■ 白露にて露草いよよ艶めけり
( はくろにて つゆくさ いよよ つやめけり )
この日は、『暦便覧』で、「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と説明され、この日より秋はいよいよ本格的となり、野の草には露が宿るようになると言われている。
さて、昨夜から少し雨が降っていたが、朝方は晴れていたので近辺を少し散歩した。
その時に目に入ってきたのが、本日取り上げる「露草(つゆくさ)」で、葉や花に水玉を浮かべて咲いていた。
雨滴なのか露なのか分からないものの、何とも艶めいた風情であった。
本日の掲句は、そんな露草の様子を見て詠んだもの。「白露」「露草」ともに秋の季語だが、敢えて季重なりにした句である。
因みに、「露草」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 露草は梅雨より出でて露に消ゆ
② 露草の瑞々しきや水の青
③ 露草の可も不可もなき河原かな
① 露草は梅雨より出でて露に消ゆ
② 露草の瑞々しきや水の青
③ 露草の可も不可もなき河原かな
②は、露を帯びた水色の花と緑の葉が、瑞々しい光を発している様子を詠んだ。
③は、京都市内を流れる鴨川の畔を散策した時に詠んだ句。幼い頃から慣れ親しんだ露草が、昔のままに今も変わらず咲いていることを詠んだもの。
別名に月草(つきくさ)、蛍草(ほたるぐさ)、帽子花(ぼうしばな)、青花(あおばな)などがある。
【露草の参考句】
露草や飯噴くまでの門歩き (杉田久女)
露草や出水がなせる江のほとり (水原秋桜子)
露草や濃淡絶し今朝の空 (中村草田男)
露草や濃淡絶し今朝の空 (中村草田男)
露草の田水に足をとられけり (角川源義)
露草の葉に露草の涙かな (西村和子)
露草の葉に露草の涙かな (西村和子)