■ 青天や何はともあれ初詣
( せいてんや なにはともあれ はつもうで )
今年の元日も昨年と同様、朝から晴れて気持ち良く迎えることができた。
例によって先ずは地元の神社に初詣に行ったが、参拝者はそれほど多くなく、ゆっくりとお参りすることができた。
昨年は、2月の初めに頸椎の手術をし、その入院の最中に長兄が急逝する不幸に見舞われたが、今年はぜひとも安寧な年になるよう、いつもより長く祈願した。
二日は、京都の有名な神社の一つである
下鴨神社に出かけた。
この神社の正式名称は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」。世界遺産の一つとしても有名である。
そのせいか、参拝者は非常に多く、神殿から数百メートルもの列ができていた。特に今年は酉年であり、社名に「鴨」が入っているので縁起が良いと言われている。
本日の掲句は、そんな初詣の気分を詠んだものである。とりわけ信仰心が厚い訳ではないが、やはり元日、二日はどこかへ初詣に行かないと心が落ち着かない。「初詣」は新年の季語。
因みに、「初詣」に関しては毎年なにがしかの句を詠んでいる。以下には、その中からいくつか選んで掲載した。やはり初詣も年により多少気分が違う。
【関連句】
① 初詣小さき幸を祈願せり
② リセットをしたきことあり初詣
③ 人波に願い渦巻く初詣
*【水みくじ】水の上に浮かばせると内容が浮き出てくる不思議なおみくじ。 (下写真)
①は、大きな願い事もなく、この年は一年の小さな幸(安寧)だけを願ったと詠んだ。
②は、一昨年詠んだ句だが、当時少し懸念していたことがあり、そのことに重ねて詠んだ。初詣のおかげかどうか分からないが、懸念していたことは、その年に解消した。
③は、いつもながら初詣の人出の多さには驚きつつ、その様子を、人々の願いは尽きることなく渦巻いていると詠んだ。
「初詣」を詠んだ句は多く、これまでも何句か紹介したことがある。以下にはそれ以外のものをいくつか掲載した。
【初詣の参考句】
左右より松の梢や初詣 (山口青邨)
降りやみし薄雪惜み初詣 (後藤夜半)
初詣マスク清らにかけにけり (吉屋信子)
日の歩み人の歩みや初詣 (野見山朱鳥)
鳥居中遠くの鳥居初詣 (深見けん二)
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