■ 葉を千切り揉めば香ばし花薄荷
( はをちぎり もめばこうばし はなはっか )
今日も昨日に続き、河原に咲いている草花を取り上げたい。その草花の名は「薄荷(はっか)」。
名前については、大抵の人は聞いたことがあると思う。最近では「ミント」の方が聞きなれているかもしれないが、清涼感のある香ばしい匂いがする。
ただ、その花に関しては、見たことがない人が多いのではないだろうか。かくいう自分も、数年前に初めて見た。
場所は鴨川の河原で、多くの野草が繁茂している中に、段菊のような白い花を咲かせていた。
本日の掲句は、先日同じ場所に行き、その薄荷の花を改めて見て詠んだ句である。念のため葉を千切り匂いを嗅ぐと、あの独特の匂いがしてきた。
尚、「花薄荷」「薄荷の花」は秋の季語になっている。「薄荷刈る」は夏の季語。
因みに、「薄荷の花」に関しては過去に以下の句を詠んでいる。
川風に薄荷の花の匂いける
薄荷は、広義ではシソ科ハッカ属の総称で、英語では「Mint(ミント)」と呼ばれる。写真のものは「日本薄荷」で在来種。茎は四角柱で、長楕円形の葉が対生する。花期は8~10月、葉の付け根に淡紫色の唇形の小花が群らがり、段々になって咲く。
名前の「はっか」は漢名の「薄荷(はくか)」の転訛。漢名の「薄荷」の由来は、薄荷の葉を蒸留してハッカ油を採ると、わずかな量にしかならず、運ぶ時に荷が少なくて済むところからと言われてるが定かではない。
葉は、爽快味および冷涼感を与えるメントールに富むため、ハーブとして料理、カクテルや菓子、薬用酒などの材料となる。また、精油は香料として食品や歯磨き粉に添加されたり、アロマテラピーに用いられる。
*ハーブ:一般的に料理の香り付けや保存料、薬、香料、防虫などに利用されたり、香りに鎮静・興奮などの作用がある有用植物で、緑の葉を持つ草、茎のやわらかい植物などを指すことが多い。(wikipediaより)
「薄荷の花」「花薄荷」は季語にもなっているので、それを詠んだ句もままある。以下には、ネットで見つけた句を参考までいくつか掲載した。
【薄荷の花、花薄荷の参考句】
薄荷の花鉢に愛して隠れ棲む (田川飛旅子)
白山や薄荷の花のはたと暮れ (花谷和子)
どしや降りの雨にうたるる花薄荷 (安斉君子)
手より手へ涼しさ渡す花薄荷 (小宅光子)
花薄荷かいではすぐに香を忘れ (如月真菜)
どしや降りの雨にうたるる花薄荷 (安斉君子)
手より手へ涼しさ渡す花薄荷 (小宅光子)
花薄荷かいではすぐに香を忘れ (如月真菜)