■ 山茶花や子連れママチャリ走り過ぐ
( さざんかや こづれままちゃり はしりすぐ )
近くの沿道の山茶花(さざんか)の花が、今年も花弁を散らしながら、目いっぱい咲いている。ある朝のこと、前と後のチャイルドシートに子供を乗せたママチャリが、その道を勢いよく通り過ぎて行った。
ところで、ママチャリは当初、婦人用ミニサイクルを指すものとして生まれ、ママのチャリンコ(自転車の俗称)を短縮して、この名になったそうだ。その後は、日常生活用自転車全般をさすようになったとのこと。正式にはシティーサイクルという。
ただ、ママチャリという言葉から連想するのは、やはりU字フレームで、前と後に大きな買物用の荷台やチャイルドシートが据えられた自転車である。特に、子供を前後に乗せて走らせるママの姿は、颯爽としていて何か格好いい。ただ、見ていて大丈夫かとひやひやすることはあるが・・・。
因みに山茶花に関しては過去にいくつも句を作っているが、比較的ましと思うものを以下に掲載する。作句した時はどれも良いと思っていたのだが・・・。
【関連句】
① 冬隣り山茶花早も咲き初めし
② 山茶花やふにゃふにゃ咲きて零れたり
③ 山茶花の咲いた道ゆく児らの声
①は、10月の半ば頃に詠んだ句。②は、山茶花の花の形がと整っていないことが多く、しかもパラパラと散るさまを見て詠んだ。③は、山茶花の生垣がある小路を通って登校する小学生らを見て詠んだ。
【山茶花の参考句】
山茶花のこゝを書斎と定めたり (正岡子規)
つくばいに散る山茶花の氷りけり (夏目漱石)
生け垣に山茶花まじる片かげり (芥川龍之介)
山茶花の咲くより散りてあたらしき (日野草城)
山茶花や灯ともしどきの早くなり (鷹羽狩行)