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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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赤き葉も初々しきや山桜

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■ 赤き葉も初々しきや山桜
          ( あかきはも ういういしきや やまざくら )

イメージ 1先週の土曜日、例により2週間ぶりに植物園に行ってきた。最近は、行くたびに咲く花も増えてきている。桜はというと、冬に咲く桜は勿論のこと、早咲きの桜も終わりに差し掛かっていたが、新しく咲きだした桜もたくさん見られた。

桜の種類は非常に多く、どれも似ているので、なかなか品種名までは覚えられない。それでも最近になって、緋寒桜(ひかんざくら)や河津桜(かわづざくら)など特徴のあるものは少しずつ見分けがつくようになった。

今日取り上げた「山桜(さまざくら」は、名前はよく知っていたが、近辺にあまり植えてないこともあり、実物をしっかり見たことはなかった。それが、先日行った植物園で満開になっているのに遭遇し、その美しさにすっかり魅了された。

本日の掲句は、その山桜を詠んだもの。山桜の特徴は、何と言っても赤い葉と花が同時に開くこと。葉に先駆けて花を咲かす染井吉野(そめいよしの)のような華やかさはないが、慎ましくもしっとりとした美しさがある。「山桜」はいうまでもなく春の季語。

イメージ 2ところで、今でこそ染井吉野が主流となっているが、明治以前は桜と言えば山桜を指していた。従って、昔の和歌や短歌に出てくる桜は、そのほとんどが山桜だと言われている。

  ○ 世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし  (在原業平)
  ○ ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ  (紀友則)
  ○ 敷島の大和心を人問わば朝日に匂う山桜花   (本居宣長)

イメージ 3俳句は比較的新しい詩形だから、単に桜と言うとどんな桜を詠んだのか分からないが、敢えて山桜と特定して詠まれた句も多い。以下そのいくつかを参考まで掲載する。

     【山桜の参考句】
      うらやまし浮世の北の山桜   (松尾芭蕉)
      みよし野のちか道寒し山桜   (与謝蕪村)
      山桜花の白さに散りやすき   (高浜虚子)
      山桜雪嶺天に声もなし      (水原秋桜子)
      山又山山桜又山桜        (阿波野青畝)

イメージ 4山桜は、バラ科サクラ属の落葉高木。日本の野生の桜の代表的な種。桜の仲間では寿命が長く、ときに樹高30m
を超える大木になる。花期、花つき、花色の濃淡と新芽の色など様々な個体変異があるとのこと。

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