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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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冬天の青に弾ける楝の実

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■ 冬天の青に弾ける楝の実   
            ( とうてんの あおにはじける おうちのみ )

イメージ 1一昨日が「松」、昨日は「梅」を取り上げたので、今日は「竹」といきたいところだが、京都御苑では、残念ながら竹が見れなかった。その代わり、「栴檀(せんだん)」の大木に出会った。

この木は、落葉広葉樹で、今は裸木になっているが、節分豆を二回りほど大きくしたような実を木全体につけるので、すぐに見分けがつく。この日は、その実が青空をバックに弾けるようになっているのを見た。

本日の掲句は、その様子を詠んだ句である。下五の「楝(おうち)」は栴檀の古い名前で、今回は音数の関係で使用した。尚、「楝の実」「栴檀の実」は秋の季語なので、上五に「冬天」という冬の季語をおいた。

ところで、昨年も同じような場面に遭遇し、以下の句を詠んでいる。

 冬天に栴檀の実の弾けたり

着想は同じだが、本日の掲句では空の「青」に拘った。「冬天」という言葉からは、「青」が見えてこないのではないかと思ったからである。ただ、昨年の句の方が、「せんだん」の撥音の響きがいい。

いずれにしろ一長一短あり、良し悪しの判断は今後のことにしたい。

イメージ 2因みに、栴檀の実では他に以下の句を詠んでいる。

  【関連句】
   ① 節分や栴檀の実は豆のごと
   ② 栴檀の空に散らばる実にも春

①は、節分の日に因んで詠んだ句だが、栴檀の実は、節分の豆が空に撒かれているような感じに見えた。
②は、立春を終えたばかりの青空に、栴檀の実が散らばるようになっているのを見て詠んだもの。

イメージ 3栴檀(せんだん)は、センダン科センダン属の落葉高木。原産地は日本、東アジアで関東以西に分布。花は、薄紫色の小さな花で、紫色の雄しべが雌しべの周りを筒状に囲んでいるのが特徴。花期は5月下旬から6月初旬。

名前は、秋に実が枝一面につき、落葉後も木に残るさまが数珠のように見えることから「センダマ」(千珠)の意でつけられたそうだ。(異説あり)別名を楝=樗(おうち、あうち)、アミノキという。

イメージ 4「栴檀の実」で詠まれた句は、以前本ブログでも紹介したことがあるので、今回は「楝の実」で詠まれた句をネットで探し、いくつか掲載した。

     【楝の実の参考句】
      楝の実ぬくぬくさがる寒の凪  (中勘助)
      島の教会島の学校楝の実    (山田みづえ)
      楝の実昼月という忘れもの   (遠藤秀子)
      南北に友のふるさと楝の実   (林徹)
      空深くあれば千々なり楝の実  (手塚美佐)

イメージ 5

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