Quantcast
Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

寒気浴び燃ゆる満天星紅葉かな

$
0
0
■ 寒気浴び燃ゆる満天星紅葉かな
                           ( かんきあび もゆるどうだん もみじかな )

イメージ 112月に入り、朝方は非常に冷え込むようになってきた。その寒気を浴びてか、満天星躑躅(どうだんつづじ)の紅葉が日増しに色濃くなってきた。本日の掲句はその様子を詠んだ句である。

この灌木の紅葉は、小さい葉が木全体に重なりながら紅葉し、色に深みがあることから、特に満天星紅葉(どうだんもみじ)と言われ愛でられている。その燃え滾(たぎ)るような色合いは殊に美しい。

尚、本句では、「満天星紅葉」が秋の季語で、「寒気」が冬の季語。従って季重なりになるが、「寒気」を主たる季語として冬の句とする。

因みに「満天星紅葉」に関し、過去に以下の句を詠んでいる。いずれも同じような場面を見て詠んでいるため、あまり変わり映えしないが、視点が微妙に違う。

  【関連句】
   ① まんまるの夕日のごとく満天星紅葉
   ② 燃えたぎる炎の如く満天星紅葉

①は、街路樹として丸く剪定(玉仕立て)された満天星躑躅が真っ赤に紅葉しているのを見て詠んだ。②は、同じ満天星躑躅の紅葉の赤を燃え滾(たぎ)る炎に喩えて詠んだ。

イメージ 2満天星躑躅は、ツヅジ科ドウダンツツジ属の落葉低木。躑躅という名前から、赤紫色などの筒状の花を咲かす植物を連想するかもしれないが、それとは全く違い、白い小さな釣鐘状の花を咲かす。花期は4月~5月。

イメージ 3漢字では「満天星」とも書くが、これは、太上老君(たいじょうろうくん)という道教の神様が、誤って天からこの木に霊水をこぼしたところ、霊水が壺状にかたまって、満天の星のように輝いたという故事に由来するとのこと。

また、「灯台躑躅」とも書くが、これは、枝分かれしている様子が、かつて夜間の明かりに用いた灯台(結び灯台)の脚部と似通っていることからつけられたとのこと。「どうだん」は、その「とうだい」から転じたと言われている。(異説あり)

イメージ 4「満天星紅葉」を詠んだ句はそれほど多くないが、ネットで見つけたものをいくつか以下に掲載する。

     【満天星紅葉の参考句】
      満天星の紅葉の上の此日暮る     (田村木国)
      生垣をつづる満天星紅葉かな       (山田梅屋)
      満天星の紅葉眼下にケーブルカー    (初村迪子)
      僧提げし満天星紅葉飛び火せよ     (手塚 美佐)
      満天星紅葉地に硬質の水流れ      (若泉真樹)

イメージ 5

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

Latest Images

Trending Articles