■ 花びらの何が何だか花カンナ
( はなびらの なにがなんだか はなかんな )
カンナという花は、アメリカ原産だそうだが、見た感じ西部劇に登場するじゃじゃ馬娘の印象がある。それは、花の色が派手で、花弁がいつも乱れており、通常の花のように整っていないことによるものと思う。
花としては、不定形で花らしくないと思っていたら、その構造そのものが他の花と全く違っていた。上句は、花の印象をその異色な構造に絡めて詠んだ句である。「カンナ」「花カンナ」は秋の季語。
カンナは、カンナ科カンナ属の多年草。熱帯アメリカが原産で、日本には江戸時代前期に渡来。多様な種類、園芸品種がある。花期は6月~10月で、一茎に数輪の花を咲かせる。花色は、緋色、ピンク、オレンジ、黄色、白など多種。
名前は、ギリシア語で「アシ(葦)」を意味し、その草姿がアシに似ているところに由来する。和名は檀特(だんとく)という。
【カンナの参考句】
鶏たちにカンナは見えぬかも知れぬ (渡辺白泉)
老いしとおもふ老いじと思ふ陽のカンナ (三橋鷹女)
カンナ咲く遥かな海を照らしつつ (鈴木夏子)
女の唇十も集めてカンナの花 (山口青邨)
老いしとおもふ老いじと思ふ陽のカンナ (三橋鷹女)
カンナ咲く遥かな海を照らしつつ (鈴木夏子)
女の唇十も集めてカンナの花 (山口青邨)