■ 朝顔や日記に記す昨日今日
( あさがおや にっきにしるす きのうきょう )
ある朝、近くの家の玄関先で、朝顔が見事に咲いているのを見た。そしてその時、なぜか、小学生当時に学校から貰った夏休みの絵日記帳を思い出した。その表紙には、はっきりとは断定できないが、イラストで朝顔が描いてあったような気がする。
ところで、朝顔というのは、向日葵(ひまわり)とともに、夏の代表的な花だが、俳句の世界では秋の季語になっている。8月7日に立秋を迎え、今がまさに秋だからだろう。最初は違和感があったが、今はその方が趣があるようにも思えてきた。
因みに、朝顔については、これまでも以下のような句を詠んだ。
【関連句】
朝顔におはようと声かけし朝
朝顔や今日もちょっぴり得をした
一句目は、清々しい朝を迎えた心境を表したもので、二句目は、「早起きは三文の得」という諺にかけたもの。
朝顔は、ヒルガオ科サツマイモ属の蔓性一年草。中国原産で、日本には平安時代に渡来したそうだ。花は大きく開いた円錐形で、5枚の花弁が漏斗状に融合している。花期は7月初から8月末。日没してから約10時間後(朝4時頃)に開花するとのこと。
【参考句】
朝顔に釣瓶とられてもらひ水 (加賀千代女)
朝がほや一輪深き淵の色 (与謝蕪村)
朝顔や客が好みの立ち話 (水原秋桜子)
朝顔やすでにきのふとなりしこと (鈴木真砂女)
朝顔や百たび訪はば母死なむ (永田耕衣)