■ 欄干の朱にも交わる紅葉かな
( らんかんの しゅにもまじわる もみじかな )
紅葉も、11月に入り、だんだんと進んできているようである。紅葉の真打である楓(かえで)はまだまだだが、花水木、桜、欅(けやき)などはかなり紅葉が進み赤々としている。
ところで、「朱に交われば赤くなる」という諺の意味だが、改めて調べてみると、「人は関わる相手や環境によって、良くも悪くもなるというたとえ。」という説明があった。これまでは、「悪い人とつきあってはいけない」という意味だと思っていたが、「良い人とできるだけ付き合うようにしろ」という意味もあるのだと再認識した。
紅葉に関しては、これまで、50句ぐらい作っているが、紅葉の始まった頃に詠んだ句としては以下のものがある。
【関連句】
① 山鳩の声はるけしや薄紅葉
② 立冬や紅葉の秋はまだなれど
①は、朝の散歩中に、遠くから山鳩が鳴く声が聞こえてきたことを薄紅葉の配合で詠んだ句。②は、昨年詠んだ句で、秋を象徴する紅葉がまだこれからというのに、立冬(りっとう)の日がもう来てしまったと嘆息交じりに詠んだもの。今年は、昨年よりも紅葉が幾分早いようだ。
ところで、どういう条件が整えば、きれいな紅葉になるのか。ネットで調べたところ、紅葉は最低気温8℃以下で始まり5~6℃以下でぐっと進むが、鮮やかに色づくためには昼夜の気温差が大きいこと、空気が澄んで葉が充分日光を受けられること、大気中に適度な湿度があって葉が乾燥しないことなどが必要だとのこと。
条件がうまく整わなければ、紅葉前に枯れたり、葉を落とす樹木が増えてくるそうだ。気温が寒いのはかなわないが、きれいな紅葉を見るには、多少とも我慢しなければならないようだ。
「紅葉」を詠んだ句は非常にたくさんある。その中で比較的分かりやすい句を以下に掲載する。
紅葉見や用意かしこき傘二本 (与謝蕪村)
遠近や残る紅葉と散る紅葉 (佐藤春夫)
紅葉せり何もなき地の一樹にて (平畑静塔)
暮れぎはの紅葉を讃へ山上湖 (青柳志解樹)
谷冷えの紅葉せかるる夢が淵 (原裕)
遠近や残る紅葉と散る紅葉 (佐藤春夫)
紅葉せり何もなき地の一樹にて (平畑静塔)
暮れぎはの紅葉を讃へ山上湖 (青柳志解樹)
谷冷えの紅葉せかるる夢が淵 (原裕)