■ 百日草いつの間にやら暮るる秋
( ひゃくにちそう いつのまにやら くるるあき )
先日、植物園に行った時に、花壇に百日草が沢山植えてあるのを見た。この花、確か夏の暑い時期に見たと思うが、まだ咲いているのかと少々驚いた。そういえば、花の名は百日ぐらい咲いているからつけられた言われている。まさに、その名の通りである。
ところで、俳句では季語が重視されるが、悩ましいのは春夏秋冬をどう区分するかである。
俳句をやらない人にしてみれば、秋は新暦の9月1日~11月30日だが、俳句では伝統的に、二十四節気の立秋から立冬の前日まで、今年であれば8月7日~11月6日となり、今は晩秋とされている。
このように、季節区分が1ヶ月弱のずれができるので、現在、新暦にあわせた歳時記も出てきているようだ。ただ、一気に新暦に合わすのもいろいろと問題が生じ、どれを選ぶかについては、当面各人の感性に任せざるを得ないだろう。
紅葉などは今や新暦の方が合っているような気もする。それでも季節のズレが多少あった方が、季節の移ろいをより強く意識できそうなので、自分としては、今のところ、伝統的な季節認識を良としている。
百日草は、キク科ヒャクニチソウ属の一年草。その学名からジニアとも呼ばれる。原産地はメキシコ
高原。日本には江戸時代末期に渡来。当初は仏花として栽培される程度だったが、現在では花色や咲き方が違う多くの種類があり、花壇などにも広く利用されている。花期は7月~10月。
参考句については、「百日草」に関するものを掲載する。夏の季語なので、7月から8月初旬を思い出して味わっていただきたい。
【百日草の参考句】
尼寺やすがれそめたる百日草 (軽部烏頭子)
蝶歩く百日草の花の上 (高野素十)
これよりの百日草の花一つ (松本たかし)
心濁りて何もせぬ日の百日草 (草間時彦)
ああ今日が百日草の一日目 (櫂未知子 )
尼寺やすがれそめたる百日草 (軽部烏頭子)
蝶歩く百日草の花の上 (高野素十)
これよりの百日草の花一つ (松本たかし)
心濁りて何もせぬ日の百日草 (草間時彦)
ああ今日が百日草の一日目 (櫂未知子 )