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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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しばらくは笑む姥百合と話しけり

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■ しばらくは笑む姥百合と話しけり
                            ( しばらくは えむうばゆりと はなしけり )
 
姥(うば)というのは老女、老婆のことをさすが、何となく悲ししい響きがある。それは、姥捨山(うばすてやま)などの棄老伝説によるものだろう。イメージ 3その姥を冠した百合を先日植物園の生態園で見た。*同じ「うば」でも、母親の代わりに子供に乳を飲ませて育てる女は「乳母」。乳母車(うばぐるま)。
 
花の色は淡い黄緑色で姿もあまり派手でなく、木陰にひっそりと咲いている感じだった。今日の掲句は、そんな花の様子を見ながら詠んだ句ある。中七は当初「散る姥百合と」としていたが、寂しすぎる感じがしたので「笑む姥百合と」に変えた。姥百合は、他の百合と同様、夏の季語。
 
ところで姥捨山伝説と言えば、有名な深沢七郎の短編小説「楢山節考」(ならやまぶしこう)」がある。本は読んでないが、今村昌平監督の映画は見た。詳細は忘れたが、非常に悲しい映画だったことだけは記憶している。
 
描いている時代はいつなのかは不明だが、想像を絶するような貧しい時代だったことは確かである。今は口減らしのため姥を山に捨てるなんてことは考えられないが、介護、孤独死などその時代とは違った次元の高齢者問題がある。
 
恐らくこういう問題は、これから先も完全に解決されることはなく、形を変えて発生してくることになるだろう。尚、本ブログは、そのことを論評するブログではないので、この話はこれ以上は触れない。
 
イメージ 1
 
姥百合は、ユリ科ウバユリ属の多年草。山地の森林に多く自生する。花期は7月~8月頃。花茎を伸ばして先端に淡い黄緑色の花数個を横向きにつける。花は筒型に見えるが元の方から切れており、あまり開かない。葉は通常の百合と異なり、卵状の楕円形で幅が広い。
 
名前は、花が咲く頃に葉が枯れてくる事が多く、そのことを歯(葉)のない「姥」にたとえてつけられたとのこと。(実際には、写真の通り花が咲く頃にも結構葉はある。)名前は花のイメージから付けられたものと思っていたので、これは予想外だった。
 
イメージ 2
 
 

 

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