■ 女王がいるやも知れぬ雪の下
( じょうおうが いるやもしれぬ ゆきのした )
「雪の下(ゆきのした)」とは、歴とした草花の名前である。今、道端や川辺などの少し陰ったところに咲いている。この花、遠目に見ると、大きな丸い葉の上に、白い物が雪のように降っているように見える。近くで見ると花の形が、まるで妖精のように見え、ちょっと不思議な空間を醸し出している。
映画「アナと雪の女王」は、日本の興行収入においても歴代3位(5月30日現在)になっているとのこと。映画そのものは、まだ、見ていないが、YouTubeで見た予告編やテーマ曲の「Let it go」を視聴した限りでは、いかにもアメリカらしいミュージカル映画のようだ。
因みに、雪の下については、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 笛吹けばピエロが踊る雪の下
② 雪の下ひらり妖精舞い出づる
①は、花をピエロに見立てたもの。下の2枚の大きな花弁がだぶだぶズボンの足、上の3枚は、化粧をしたピエロの顔。②は、花を妖精に見立てたもの。揺れている感じを舞いに喩えた。
「雪の下」は、ユキノシタ科ユキノシタ属の常緑多年草。日本、中国原産。開花期は5~7月頃で、高さ20~50cmの花茎を出し、多数の花をつける。花は五弁で、上の3枚が小さく濃紅色の斑点があり、下の2枚は白色で細長い。
名前は、「雪が上に積もっても、その下に緑の葉があることから」、あるいは「白い花を雪に見立て、その下に緑の葉があることから」名付けられたとする説などがある。見た感じからすれば、後者の方があっているような気もする。
尚、「雪の下」は、花の形が鴨の足や虎の耳に似ているところから「鴨足(脚)草」、「虎耳草」と書いて「ゆきのした」と読ませることもある。
【雪の下等の参考句】
はびこつて好きな花なり雪ノ下 (高浜虚子)
ゆきのしたかろがろ咲いてはなやげる (渡辺水巴)
かくれ咲く命涼しき鴨脚草 (富安風生)
鴨脚草この井湧きにし日をおもふ (水原秋桜子)
雪の下人に知られず鯉あそぶ (中村汀女)
はびこつて好きな花なり雪ノ下 (高浜虚子)
ゆきのしたかろがろ咲いてはなやげる (渡辺水巴)
かくれ咲く命涼しき鴨脚草 (富安風生)
鴨脚草この井湧きにし日をおもふ (水原秋桜子)
雪の下人に知られず鯉あそぶ (中村汀女)