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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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梅薫る天神様や通りゃんせ

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■ 梅薫る天神様や通りゃんせ
               ( うめかおる てんじんさまや とうりゃんせ )
 
梅が満開だというので、先の土曜日に数年振りに北野天満宮(きたのてんまんぐう)に行ってきた。広い参道を通り、山門に入ると、境内のあちらこちらで白梅、紅梅が満開なっているのが見え、梅の香ばしい匂いがしてきた。こんなに沢山の梅の木が植えてあったのかと改めて驚かされた。

イメージ 1本日の掲句は、そんな光景を見ながら詠んだ句である。天神様とは、後述の通り、菅原道真を祭神とする神社=天満宮のことをいう。そして、その天神様からの連想で、下五に「とおりゃんせ」を措いた。本句では「梅薫る」が季語で季は春。

ところで、菅原道真がなぜ神になったのか。Wikipediaなどから要点をまとめると以下のようになる。

「道真は、藤原時平の陰謀によって大臣の地位を追われ、大宰府へ左遷され失意のうちに没する。彼の死後、疫病がはやり、日照りが続き、また醍醐天皇の皇子が相次いで病死した。さらには清涼殿が落雷を受け多くの死傷者が出た(清涼殿落雷事件)。

これらが道真の祟りだと恐れた朝廷は、道真の罪を赦すと共に贈位を行った。その後、道真の怨霊は天神(雷神)を信仰する天神信仰に結びつけられ、火雷天神という地主神が元々祀られていた京都の北野の地に、北野天満宮を建立して道真の祟りを鎮めようとした。」

このような経過をたどり、菅原道真を祭神とする天満宮を天神様というようになったのだが、現在も天神(道真)を祀る神社は、九州、西日本などに約1万社あるそうだ。

尚、天満宮に梅が多く植えられているのは、道真がこよなく梅を愛したせいであると言われている。また、牛が祀られているのは、「道真が丑(うし)年生まれで、亡くなったのは丑の月の牛の日であったため」「道真は牛に乗って大宰府に下った」などの伝承があるが真実かどうかは定かでない。
 
イメージ 2話は変わって、「とうりゃんせ」についてだが、周知の通り、これは、わらべ歌(下掲)の一つである。この歌詞に、「天神様の細道」が出てくることを思いだし、掲句に入れたが、この歌詞の意味とは直接的な関係はない。

尚、このわらべ歌のことを事のついでに調べていると、思いがけないことにであった。この歌の最後のフレーズに「行きはよいよい帰りはこわい」があるが、何故「こわい」のか。これには、「神隠し」などのいろいろな秘密が隠されているというのである。あまり信じたくない話だが、興味のある方はネットなどで調べていただきたい。ここは、単純に夜になると辺りが暗くなり怖いという意味だと解釈したい。
 
          通りゃんせ 通りゃんせ ここはどこの 細通じゃ 天神様の 細道じゃ
          ちっと通して 下しゃんせ  御用のないもの 通しゃせぬ
          この子の七つの お祝いに お札を納めに 参ります
          行きはよいよい 帰りはこわい  こわいながらも 通りゃんせ 通りゃんせ
 
イメージ 3 


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