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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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梅の枝に身も逆さまに目白かな

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■ 梅の枝に身も逆さまに目白かな
                           ( うめのえに みもさかさまに めじろかな )
 
暫く寒さが続いたが、予報では今日あたりから10度を超える暖かさになるようだ。梅の方も、寒いからと待ってはおれず、近所の白梅も満開になってきた。その梅の木に、時々やってくるのが目白(めじろ)で、先日も数羽の目白が枝から枝へと飛び回っていた。
 
イメージ 1早速デジカメをポケットから取り出し、何枚かあてずっぽうで写真を撮った。後で確認すると、目白がそれなりに映っていたのは2~3枚。残りは顔が見えないものやピンボケのもの。とはいえ、目白がそれなりに撮れたのは、これが最初である。

本日の掲句は、そんな目白を詠んだものである。目白は、目に白い絵の具で○をしたような、少しとぼけた顔をしている。それが、枝にとまって身を逆さまにして蜜を吸っている様子は、実に可愛らしい。掲句は、そんな様子を句にした。

尚、「目白」は、いくつかの歳時記では、夏の季語もしくは秋の季語にしている。年中見られる鳥なのに何故なのかは良くわからない。今後更に理由を調べることとし、本句では、「梅」を季語に、春の句とした。

ところで、「梅に鶯」と言われ、花札にも描かれているが、これには混同があると言われている。実のところ、鶯は主に虫や木の実などを食べるので、花蜜を吸うことはめったにない。一方、目白は、花の蜜や果汁を好み、早春には梅の花を求めて集まってくる。だから、「梅に鶯」でなく、「梅に目白」が正しいというのである。

確かに、鶯は警戒心がとても強く、声はすれども、梅の木にとまって鳴いている姿は滅多に見られない。どうやら、「梅に鶯」というのは、「梅の花」と「鶯の囀り」を頭の中で合体したもので、それがイメージとして定着したもののようだ。

目白は、スズメ目メジロ科メジロ属の鳥の一種。東アジアから東南アジアにかけて分布する留鳥または漂鳥。全長約12 cmで、スズメよりもやや小さい。緑がかった背と暗褐色の羽を持ち、雌雄同色。目の周りの白い輪が特徴で、名前の由来にもなっている。英名でも "White-eye" と呼ばれているそうだ。

尚、目白を詠んだ句については、ネットで以下の句を見つけた。「目白」を季語とすれば、、前三句はともに季重なり。こうなると「目白」を季語とする意味がどこにあるのか分からなくなる。

    【目白の参考句】
     南天の実をこぼしたる目白かな      (正岡子規)
     見えかくれ居て花こぼす目白かな     (富安風生)
     紅葉して目白のうたも寂びにけり     (篠田悌二郎)
     目白の巣我一人知る他に告げず     (松本たかし) 
            *「目白の巣」は、春の季語「鳥の巣」に準じる。
 
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