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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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赤チンの色に咲きけりゼラニウム

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■ 赤チンの色に咲きけりゼラニウム
    ( あかちんの いろにさきけり ぜらにうむ )


イメージ 1最近は、実にたくさんの園芸植物が見られるようになった。当然ながら、それらは、人間のために作られているので、どれも美しい。

そのため、他の植物との違いを言葉で表すことができず、俳句に詠むことが却って難しい。

本日取り上げた「ゼラニウム」もその一つで、数年前から花と名前は知っていたが、句には詠めなかった。

ただ、以前より気になっていたことに「ゼラニウム」という名前がある。

語尾の「ニウム」は、「アルミニウム」「ナトリウム」「マグネシウム」など元素名でよく使われれるが、何か関連があるのだろうか。








イメージ 2
調べて見ると、「イウム-ium(-um)」は、金属名につけるラテン語の中性名詞の語尾形で、1807年のカリウム発見以来、金属元素の語尾に「-ium」をつけることが慣習となったそうだ。

ならば、「ゼラニウム」も金属元素に関係があるのかと調べて見たが、はっきりしたことはわからなかった。ただ、植物にも「-ium」が付いているものが結構あることが分かった。例えば「アリウム」「エキウム」「アデニウム」など。

イメージ 3尚、「ゼラニウム」は、ギリシア語で”Geranium”と書き、”Geran”がギリシア語で「鶴」という意味で、これに”-ium”がついたもの。果実の形が、鶴のくちばしに似ているとことから付けられたそうだ。

イメージ 4前書きがかなり長くなったが、本日の掲句は、何となく化学に関係がありそうな名前と薬品の「赤チン」の取り合わせで詠んだ句である。 *後で気が付いたが、葉っぱは血止め草に似ている。

何の変哲もない句だが、かの松尾芭蕉も「秋海棠西瓜の色に咲きにけり」という句を詠んでいるので、これもありだろう。尚、「ゼラニウム」は花期が長いので季語にはなっていないと思っていたが、歴とした夏の季語になっている。「ゼラニューム」とも言う。

イメージ 5「ゼラニウム(ゼラニューム)」は、フウロソウ科テンジクアオイ属の多年草。原産地は南アフリカなど。日本には江戸時代の末期にオランダより渡来。
*元々のゼラニウム属は、後にゼラニウム属とペラルゴニウム属に分離される。園芸ではペラルゴニウム属に分離された方が旧属名の「ゼラニウム」で通っている。

花期は、一季咲き種が4~6月。四季咲き種が4月~7月、9月~11月。

イメージ 6花は、葉のつけ根から花茎を伸ばして、先端に数十輪の花をボール状にまとめて咲かす。花には一重、八重などがあり、色は赤、紅、淡紅、ピンク、白などがある。

葉は丸っこく、馬のひづめ型の黒っぽい斑紋がつく。その葉が葵の葉にそっくりであることから、別名に「天竺葵(てんじくあおい)」がある。「天竺」は異国産の意。


イメージ 7「ゼラニウム」「ゼラニューム」を詠んだ句は多くはないが、ネットでいくつか見つけたので参考まで以下に掲載した。

   【ゼラニウム(ゼラニューム)の参考句】
    ゼラニューム午後の雲満ちひろがるも (有働亨)
    ゼラニウム遊廓跡に海が見え       (佐々木六戈)
    ゼラニューム野放しにしてこの洋館    (高澤良一)
    いやな日は早く寝ますわゼラニューム (池田澄子)
    ゼラニウムの出窓に髭の顔ひとつ    (石寒太)

*ピンクのゼラニウム
イメージ 8

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