■ 断捨離で忘れ難きを忘れ草
( だんしゃりで わすれがたきを わすれぐさ )
さて今日は、野原や川端などに咲いている「忘れ草(わすれぐさ)」を取り上げたい。
恐らく読者の中には「勿忘草(わすれなぐさ)」は知っているけど、「忘れ草」なんて初めて聞いたという人もいるのではないだろうか。
*断捨離は、ヨーガの考え方にもある、「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(ぎょう)」を応用したもの。「必要のないものを断ち、捨てて、執着することから離れる」という意味をあらわす。
「忘れ草」とは、「萱草(かんぞう)」と言われるユリ科ワスレグサ属の草花のこと。中国では、春先にこの草の若芽を食べると「憂いが晴れる」といわれ、「忘草」「忘憂草」と呼ばれていたことから、「忘れ草]と呼ばれるようになった。
忘れ草 我が紐に付く 香具山の
古りにし里を 忘れむがため (大伴旅人)
《忘れ草を私の腰ひもに付けてみた。香具山のあたりのあの懐かしい里のことをわすれようとするために。》
「忘れ草」と呼ばれる草花の代表的なものとしては「野萱草」「薮萱草」「浜萱草」などがある。
*写真の1~5枚目が「野萱草」、6~7枚目が「藪萱草」、8枚目が「浜萱草」。
【藪萱草(やぶかんぞう)】 野原、薮などに自生。花期は7〜8月で橙赤色の八重咲き。
話は戻って、過去には「忘れ草」という名前に託して以下のような句を詠んでいる。
【藪萱草(やぶかんぞう)】 野原、薮などに自生。花期は7〜8月で橙赤色の八重咲き。
【関連句】
① 悲しきを花に託して忘れ草
② 憂きことは川に流して忘れ草
③ 忘れたきこと忘れられずに藪萱草
②は、たまたま川沿いに咲いていた薮萱草を見て詠んだ句。
③は、忘れたいこと、忘れたくないこと様々あるが、もっとも辛いのは忘れたいことが忘れられないことだろうと思い詠んだ句。
③は、忘れたいこと、忘れたくないこと様々あるが、もっとも辛いのは忘れたいことが忘れられないことだろうと思い詠んだ句。