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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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名乗るなら諸葛菜が格好いい

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■ 名乗るなら諸葛菜が格好いい 
    ( なのるなら しょかつさいが かっこういい )



イメージ 1今日取り上げる植物は、花壇や野原などでよく見かけるが、いろいろな名前で呼ばれている。

良く知られているのは「紫花菜(むらさきはなな)」。これは、花の形が花菜(菜の花)に似ており、花の色が紫なのでつけられた。

「花大根(はなだいこん)」という名前もあるが、これは、大根の花に似ていて、花が美しいことから付けられたとのこと。

更に「諸葛菜(しょかつさい)」とも呼ばれているが、これは、三国志に出てくる蜀漢の政治家・軍師「諸葛孔明(しょかつこうめい)」が、この植物を広めたという伝聞から付けられたそうだ。









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そのことを知り、かつて以下の句を詠んでいる。

 孔明も愛でし花らし花大根

「孔明」と「大根」の取り合わせが何となく面白いと思い詠んだ。ただ、本句では「孔明も愛でし花」としたが、本当のところは、兵士の食糧として栽培したようである。

イメージ 3さて、この花の名前の話は、これで終わりではない。別に「大紫羅欄花(おおあらせいとう)」という名前がある。厄介なのは、この名前が標準和名になっているということ。

そこで、その由来について調べて見たところ、「紫羅蘭」は漢名からきており、「アラセイトウ」は園芸品種の「ストック」の別名だとのこと。それが、なぜ「大紫羅欄花」に使われているのかは、調べてもはっきりしなかった。

イメージ 4本日の掲句は、このようにいろいろな名前で呼ばれているが、どれが一番格好良いかと問われれば、自分なら「諸葛菜」だなと思って詠んだ句。「諸葛菜」は春の季語。

イメージ 5「諸葛菜」こと「大紫羅欄花」は、アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草。原産地は中国。日本には江戸時代に輸入され栽培されていたが後に野生化した。

花期は3月~5月。四弁花で花色は始め紫色だが、次第に薄くなり最終的には白色に近くなる。

イメージ 6名前がいくつもあると、どの名前で句を詠むか迷うが、調べてみると「大紫羅欄花」は名前が難しいせいかあまり詠まれていない。また、「紫花菜」は名前が長く、他の花菜と混同されるためか、これもほとんど使われていない。

一方、「諸葛菜」や「花大根」で詠んだ句についてはままあるが、以下には特に「諸葛菜」で詠まれたものをいくつ参考まで掲載した。(過去に掲載したものを除く。)

 【諸葛菜の参考句】
  諸葛菜といひ花大根といひ花ざかり (岸田稚魚)
  病室にむらさき充てり諸葛菜      (石田波郷)
  諸葛菜晩年の文字美しや        (角川源義)
  あるままに余生過さむ諸葛菜     (水原春郎)
  碑の丈の高さに諸葛菜         (高澤良一)

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