■ 名乗るなら諸葛菜が格好いい
( なのるなら しょかつさいが かっこういい )
良く知られているのは「紫花菜(むらさきはなな)」。これは、花の形が花菜(菜の花)に似ており、花の色が紫なのでつけられた。
「花大根(はなだいこん)」という名前もあるが、これは、大根の花に似ていて、花が美しいことから付けられたとのこと。
更に「諸葛菜(しょかつさい)」とも呼ばれているが、これは、三国志に出てくる蜀漢の政治家・軍師「諸葛孔明(しょかつこうめい)」が、この植物を広めたという伝聞から付けられたそうだ。
そのことを知り、かつて以下の句を詠んでいる。
孔明も愛でし花らし花大根
「孔明」と「大根」の取り合わせが何となく面白いと思い詠んだ。ただ、本句では「孔明も愛でし花」としたが、本当のところは、兵士の食糧として栽培したようである。
そこで、その由来について調べて見たところ、「紫羅蘭」は漢名からきており、「アラセイトウ」は園芸品種の「ストック」の別名だとのこと。それが、なぜ「大紫羅欄花」に使われているのかは、調べてもはっきりしなかった。
花期は3月~5月。四弁花で花色は始め紫色だが、次第に薄くなり最終的には白色に近くなる。
一方、「諸葛菜」や「花大根」で詠んだ句についてはままあるが、以下には特に「諸葛菜」で詠まれたものをいくつ参考まで掲載した。(過去に掲載したものを除く。)
【諸葛菜の参考句】
諸葛菜といひ花大根といひ花ざかり (岸田稚魚)
病室にむらさき充てり諸葛菜 (石田波郷)
諸葛菜晩年の文字美しや (角川源義)
あるままに余生過さむ諸葛菜 (水原春郎)
碑の丈の高さに諸葛菜 (高澤良一)